本記事では、2024年から2025年にかけてリリースされた主要AIモデルの特徴や使いどころをまとめました。読むことで、目的に合ったモデルを見極めるヒントが得られ、無駄な出費や時間を抑えられるはずです。意外と知られていない注意点や料金プランも解説するので、ぜひ最後までお読みください。

この記事の内容は上記のGPTマスター放送室でわかりやすく音声で解説しています。
2025年にリリースされた主なAIモデル
OpenAI – 「ChatGPT 4.5」

概要
2025年2月28日(日本時間)、Open AIより「GPT-4.5(コードネーム:Orion)」が正式に発表されました。GPT-4.5は「o1」や「o3-mini」のような長く考えて性能を向上させるのではなく、「GPT-4o」をより高性能にしたモデルです。
特徴
- 感情的知能(EQ)の向上:ユーザーの意図や文脈をより深く理解し、自然で温かみのある対話が可能となりました。
- ハルシネーションの減少:誤った情報を生成する傾向が大幅に減少し、信頼性が向上しています。
- 創造性と直感力の強化:複雑な推論を必要とせず、パターン認識や連想思考が強化され、創造的な洞察を提供する能力が高まりました。
これらの改良により、ChatGPT 4.5はより人間らしい対話体験を提供し、文章作成やプログラミング、問題解決などのタスクにおいて有用性が高まっています。
料金・利用法
- ChatGPT Proプラン:月額200ドルで、GPT-4.5への優先アクセスが可能です。
- ChatGPT Plusプラン:月額20ドルで、GPT-4.5へのアクセスが順次拡大される予定です。
- API利用:開発者向けにGPT-4.5のAPIが提供されており、入力100万トークンあたり75ドル、出力100万トークンあたり150ドルの料金設定となっています。
OpenAI – 「o4-mini」

概要
OpenAIが2025年4月にリリースした軽量型のGPT-4系モデルで、速度・コスト効率・実用性のバランスに優れた設計です。GPT-4.5ほどの処理能力は持たないものの、日常的な文章生成や会話、画像処理などには十分対応。特にマルチモーダル(テキスト+画像)入力が可能で、軽量かつ高速な応答が特徴です。Web UIやAPI経由で広く使われており、無料プランのユーザーでも利用可能です。
料金・利用法
- 無料利用:ChatGPT(無料プラン)にて標準搭載
⇒ChatGPT Plus(月額20ドル)では、より高速かつ安定した提供が可能 - 追加機能:画像解析・ツール使用(コード実行・ブラウジング)などはPlusプランで対応
- 利用方法:ChatGPT WebアプリおよびAPI経由で利用可能。小規模開発やエッジ端末への組み込みにも向いている
特徴
- 軽量&高速:GPT-4並みの性能を維持しながらも、応答速度は大幅に向上
- 画像対応:マルチモーダル処理に対応し、画像への質問や説明生成が可能
- 低コスト運用:API単価も低く設定されており、開発・試験用途にも最適
OpenAI – 「o3-pro」

概要
2025年6月にリリースされた「o3」シリーズの上位モデルで、複雑な推論や業務用途に特化したプロフェッショナル向けAIです。Python実行や画像解析、ウェブ検索、PDF処理など多様な外部ツールとの連携が強化されており、とくに法務・医療・行政文書といった高精度が求められる分野で効果を発揮します。ベースは「o3-mini-high」と同系統ですが、ツール使用と信頼性の最適化に重点が置かれています。
料金・利用法
- 利用条件:ChatGPT Proプラン専用(月額20ドル)
※APIでの提供は未定 - トークン単価:入力 20ドル/出力 80ドル(100万トークンあたり)
⇒o3の約10倍の計算コストのため、利用用途の選別が重要 - 利用方法:ChatGPT Proでの使用限定。Python実行・検索・ファイル処理などのツール機能が標準で使用可能
特徴
- 高度な信頼性:誤情報の抑制に優れており、精度重視の業務に対応
- 複雑タスク対応:Chain-of-Thoughtや複数ソース統合による論理的応答に強み
- マルチツール統合:コード生成、検索、PDF要約、図解、画像解析などをワンストップで処理可能
OpenAI – 「o3-mini」

概要
OpenAIが新たに発表したSTEM(理系分野)向けモデル。コードや数学・科学に特化しつつ、小型化による低コストを実現。
料金・利用法
基本的には無料で使えるが、ヘビーユーザー向けにはサブスクリプションが必要。
特徴
推論スピードとコスト効率が良い。最高性能ではないが、サクッと数式やコードなどを処理したい場合に便利。
OpenAI – 「Deep Research」

概要
トピックに対する詳細なリサーチと明確な引用元の提示を行うモデル。
料金・利用法
月額200ドルのChatGPT Proのみで利用可能。
注意点
AIの幻覚(誤情報)問題は依然として残っている。科学から買い物比較まで幅広い分野で使えるが、情報の正確性には要注意。
OpenAI – 「Operator」
- 概要: “個人専属のインターン”のように、買い物などのタスクを自動実行できるエージェント型モデル
- 料金・利用法: 月額200ドルのChatGPT Proサブスクリプション必須
- 注意点: まだ実験的要素が強く、ユーザーの許可なく高価な商品を注文してしまうなどのリスクが指摘されている。2025年2月時点では日本では利用不可。
Google – 「Gemini 2.5」

概要
Google DeepMindが2025年3月に発表したGeminiシリーズの最新モデル。Gemini 1.5の長文処理能力を継承しつつ、推論・読解・マルチモーダル処理の精度をさらに強化しています。とくにGemini 2.5では、1Mトークン規模のコンテキストウィンドウとより自然な会話構成が可能になり、大規模な文書分析や複雑な問いへの対応力が大幅に向上しています。画像、コード、音声とのマルチモーダル統合も進化し、あらゆる知的作業をカバーできる総合型AIです。
料金・利用法
- 無料利用:Gemini 1.5 ProがGoogle One(AI Premium)ユーザーに提供中
⇒Gemini 2.5は一部ユーザーに先行提供されており、段階的に公開中 - 有料プラン:Google One AI Premium(月額2,900円)で利用可能(Gmail・Docs統合対応)
- 利用方法:Gemini Web/モバイルアプリ、Google Workspace連携(Docs/Sheets/Slides)、Androidデバイスの音声アシスタントとしても動作
特徴
- 最大100万トークン対応:長文資料の一括処理、契約書分析や技術文献読解に適応
- マルチモーダル強化:画像・音声・コード入力に対応し、複雑なタスクにも柔軟に対処
- Google製品と完全統合:Gmail、Googleカレンダー、Docsなどとシームレスに連携し、AIアシスタントとして業務を支援
Anthropic – 「Claude 3.7 Sonnet」

概要
- Anthropicが開発した最新の言語モデル。
- 2025年2月にリリースされた高性能な汎用AIモデル。
- Claude 3ファミリーの一部で、推論能力に優れたモデル。
性能
- Claude 3.7 Sonnetは拡張思考モード(reasoning mode)を備えており、複雑な問題に対する推論能力が向上。
- 様々な分野(数学、科学、プログラミング、文章作成など)で高い性能を発揮。
利用法
- Webベース、モバイル、デスクトップチャットインターフェース経由でアクセス可能。
- API経由でも利用可能(モデル文字列: ‘claude-3-7-sonnet-20250219’)。
- 開発者向けには「Claude Code」という研究プレビュー版のコマンドラインツールも提供。
特徴
- 推論モードはPro(有料)アカウントでのみ利用可能。
- Claude 3ファミリーの中で、幅広いタスクに対応できる汎用性の高いモデル。
xAI – 「Grok3」

概要
xAIが最新のフラッグシップAIモデルとして発表。画像解析や質問応答機能を搭載し、数学、科学、プログラミングなど複雑な問題にも対応。前世代のGrok 2に比べ、約10倍の計算リソースを投入し、大幅な性能向上を実現。応答速度を重視した「Grok 3 mini」など、用途に応じた複数のモデル構成が存在する。
料金・利用法
- 先行利用: XのPremium+プラン(月額2,590円)加入者向けに先行提供。
⇒2月20日に無料ユーザーも利用できるようになりました - 追加機能: 高度な推論やDeepSearch機能は、SuperGrokプラン(月額約$30または年額約$300)で利用可能。
- 利用方法: 基本はGrokアプリ(iOS/Web)を通じた利用で、将来的にはエンタープライズAPI経由での提供も予定される。
特徴
- 高精度・高速推論: 画像解析や複雑な数理・科学問題に対し、Reasoningモデルが自らの推論を検証しながら回答。
- DeepSearch機能: インターネット上やX内の情報を自動検索し、要約を提供する先進的なリサーチツール。
- 柔軟な運用: ユーザーは「Think」や「Big Brain」モードを選択し、問題の難易度に応じた最適な回答が得られる。
Mistral – 「Le Chat」
- 概要: マルチモーダルAIのパーソナルアシスタント。高速応答が特長
- 料金・利用法: 基本バージョンは無料。ニュース配信付きの有料版もあり
- 評価: フランスのLe Mondeによると速度と性能は優秀だが、ChatGPTと比べると誤回答がやや多い
2024年にリリースされた主なAIモデル

DeepSeek R1
- 概要: 中国発のオープンソースAIで、コードや数学に強み
- 料金・利用法: web版は完全無料で、オープンソース版はローカル環境でも実行可能
- 注意点: 中国政府の検閲が組み込まれており、ユーザーデータが中国へ送信される可能性などが懸念され、一部で利用制限がかかり始めている
Gemini Deep Research
- 概要: Googleの検索結果を簡潔かつ引用つきで要約するリサーチモデル
- 料金・利用法: Google One AI Premium(19.99ドル/月)必須
- 特徴: 学生やビジネスリサーチに使いやすいが、論文のクオリティまでは期待しにくい
Meta Llama 3.3 7B
- 概要: Metaが公開している最新のLlamaシリーズ。無料かつオープンソース
- 強み: 数学や一般知識、指示に対する正確な応答が得意
- 特徴: 前バージョンより低リソースで高性能を実現。開発者コミュニティで盛んに活用されている
OpenAI Sora
- 概要: テキストからリアルな動画を生成するモデル
- 料金・利用法: ChatGPTのPlusプラン(20ドル/月)以上で利用可能
- 注意点:「不自然な物理現象」を起こすこともあり、完全な映像作品にはまだ不向き
Alibaba Qwen QwQ-32B-Preview
- 概要: 数学やコーディングではOpenAIのo1モデルに匹敵する性能を持つ中国発のオープンソースAI
- 特徴: 中国政府の検閲が組み込まれている
- 注意点: 「常識的推論」に課題が残ると公式も認めている
Anthropic’s Computer Use
- 概要: Claude系のAIがPC操作まで行うエージェント型サービス
- 料金・利用法: API課金制(入力100万トークンあたり0.80ドル、出力100万トークンあたり4ドル)
- 特徴: タスク自動化が期待されるが、まだベータ版で信頼性に課題がある
x.AI’s Grok 2
- 概要: Elon Muskが所有するx.AIが開発する高速チャットボットの強化版
- 料金・利用法: 無料ユーザーは2時間あたり10回の質問が上限。X(旧Twitter)のPremium/Premium+加入者向けに制限緩和
- その他: 高精細画像を生成する「Aurora」も同時リリース。暴力的・グロテスクな表現も可能で、モデレーション面の懸念がある
OpenAI o1
- 概要: “隠れた思考プロセス”を通して高品質の回答を目指すモデル
- 料金・利用法: ChatGPT Plus(月額20ドル)への加入が必要
- 特徴: コーディング、数学、セーフティ分野で優秀。論理的な文章作成でも高性能。ただし人間を欺く発言をする可能性が指摘されている
Anthropic’s Claude Sonnet 3.5
- 概要: コーディング能力に定評があり、“裏技的”な使い方をする開発者から人気
- 料金・利用法: 無料版で利用可能だが、大規模利用は月額20ドルのProプランを推奨
- 注意点: 画像を理解はできるが生成はできない
Cohere Command R+
- 概要: Retrieval-Augmented Generation(RAG)に強みをもつCohere社のエンタープライズ向けモデル
- 特徴: 引用元を正確に見つけて提示する能力が高い
- 注意点: RAGを使ってもAIの幻覚問題は完全には解決しないため、最終的な検証は人間が行う必要がある
2025年生成AI最新モデル:まとめ

AIモデルが急増する一方で、それぞれの得意分野や必要なサブスクリプション、リスクなどは大きく異なります。
本記事では、2024年から2025年にかけて発表された代表的なモデルの概要を紹介しました。自分の目的や予算、求める性能をしっかり把握したうえでモデルを選ぶことで、より効率的かつ安全にAIの恩恵を受けることができるでしょう。
参考)These are the hottest AI models, what they do, and how to use them