OpenAI、最新AIモデルo1のAPIを発表—開発者向け新機能を多数搭載

OpenAIは、2024年12月に最新のAIモデル「o1 」のAPIを公開しました。このモデルは、特に開発者向けに設計されており、APIで利用するための新機能を備えています。

AIモデル「o1 」APIの5つの特長

1. ファンクションコーリング

「o1 」APIは、バックエンドのAPIと連携する機能を持ち、最新の税金情報の取得など、リアルタイムでのデータアクセスが可能です。これにより、ユーザーは最新の情報を基にした応答を得ることができます。

2. 構造化出力

JSONなどの構造化データ形式での出力に対応しており、データの整理や他のシステムとの統合が容易になりました。これにより、開発者は生成されたデータを直接アプリケーションに組み込むことが可能です。

3. デベロッパーメッセージ

システムメッセージの新たな形式を導入し、モデルの動作を詳細に制御できます。これにより、特定のタスクやシナリオに合わせたカスタマイズが可能となり、より柔軟な応用が期待できます。

4. 思考効率の指定

モデルの思考時間を調整することで、コストと応答時間の最適化が可能です。これにより、ユーザーのニーズに応じたバランスの取れたサービス提供が実現します。

5. ビジョン入力(画像解析)

画像を入力として利用できる機能が追加され、経営管理や科学分野での応用が期待されています。例えば、画像解析を通じてデータの視覚的な理解や分析が可能となります。

「o1 」APIのパフォーマンス

最新の「o1-2024-12-17」バージョンでは、以下のベンチマークで新たな最高性能を記録しています:

  • 一般知識: GPQAで75.7%の精度(従来は73.3%)
  • コーディング: SWE-bench Verifiedで48.9%の精度(従来は41.3%)
  • 数学: MATHで96.4%の精度(従来は85.5%)
  • ビジョン: MMMUで77.3%の精度
  • エージェント: TAU-bench(小売業)で73.5%の精度

リアルタイムAPI用の新要素

OpenAIは、リアルタイムの音声アプリケーション向けに「リアルタイム API」を強化しました。主な改善点は以下の通りです:

  • WebRTCサポート:
    • オープンスタンダードのWebRTCを統合し、ブラウザやモバイル、IoTデバイス間でのリアルタイム音声製品の構築が容易になりました。
  • 価格の引き下げ:
    • GPT-4oオーディオの価格を60%削減し、GPT-4o miniのサポートも追加され、従来の音声料金の10分の1で利用可能です。
  • レスポンス制御:
    • 開発者が応答の長さや詳細度を調整できる新機能を提供しています。

新しいファインチューニング方法

新たなモデルカスタマイズ手法「Preference Fine-Tuning」により、ユーザーや開発者の好みに基づいてモデルを調整することが容易になりました。これにより、特定のタスクや業界ニーズに合わせたAIソリューションの構築が可能となります。

  • ユーザーの評価に基づき実用性の高いモデルの設計が可能。
  • コンテンツモデレーションやチャットボットに対応。
  • 設定やデータのアップロードが簡単に。

デベロッパー用の新SDK

開発者の利便性向上のため、OpenAIはGoおよびJava向けのSDKをベータ版として公開しました。これにより、これらのプログラミング言語でのAI機能の統合が容易になります。

「o1 」APIは開発者にとってより強力なツールへ

これらの新機能により、「o1 」APIは開発者にとってより強力で柔軟なツールとなり、さまざまな分野での応用が期待されています。特に、リアルタイムデータの取得や画像解析の能力向上は、ビジネスや研究における新たな可能性を開くでしょう。

さらに、「o1 」APIは推論能力が強化されており、複雑な数学的問題やコーディング、科学的課題の解決においても優れた性能を発揮します。これは、AIモデルが人間のような認知能力に近づく重要なステップとされています。

「o1 」APIの登場により、AI技術は新たな段階に入り、さまざまな分野での活用が進むと期待されています。しかし、その高度な能力に伴うリスクや倫理的な課題についても、引き続き議論と対策が求められています。

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