自社でAIシステムの開発を進める3つのステップ

ご存知の通り近年、AI (人工知能) がビジネス界において大きな変革をもたらしています。AIを活用すれば業務効率の向上や新たなビジネスモデルの創出、顧客体験の改善など、多くのメリットがあるため、AIシステムの開発を取り入れたい企業も多いでしょう。

この記事では、自社でAIシステムの開発を進める際のステップを詳しく解説します。

AIがビジネスに与える影響

AIの導入は、ビジネスに革新をもたらす可能性があります。製造業から金融業界、経理業務からマーケティング活動まで、既にさまざまな業界でAIの導入からの効果が確認されていますが、AIシステムを導入する主な理由は業務の自動化と効率化です。

最近はChatGPTなどで話題となっている画像や文章の生成AIが注目を集めていますが、それ以外にもRPA(Robotic Process Automation)を導入すれば、パソコンで行っている事務作業を自動化できますので、広い意味でAIに含めることができます。

従来、人の手で行われていた業務の多くをAI に任せることができたら、従業員の負担は大きく軽減されます。これまでルーチンワークに費やしていた時間を、もっと創造性の高い業務に割り当てることができるでしょう。人の手で行う作業ではどうしても出てしまうミスが、AIの活用によりほぼなくなります。また、データの分析によって洞察を得ることで、より良い意思決定を可能にし、ビジネス全体の競争力を高めます。

つまり、AIをビジネスに取り入れることで、以下の全てが叶います。

  • 業務スピードが上がる
  • 正確性の向上
  • 創造性の高い仕事にリソースを割ける
  • ビジネスの競争力が高まる

AI活用による成功事例

では、それぞれの成功事例を見ていきましょう

事例1:業務スピードが上がる

会計事務所がAIを導入し、経費精算プロセスを自動化しました。従業員はAIに請求書をスキャンし必要事項を入力します。AIがデータを検証し承認されたものを自動的に処理するようになったため、従業員は手動入力の手間を省き、経費処理が迅速化されました。

事例2:正確性の向上

小売店がAIを導入し、在庫管理を改善しました。AIは過去の販売データ、需要予測、およびリードタイムを分析し、最適な発注量を自動的に計算するようになります。これにより、在庫の過剰や不足を防ぎ、正確な在庫レベルを維持できるようになりました。販売チームは正確な在庫情報に基づいて注文を処理できるようになったため、顧客満足度が向上しました。

事例3:創造性の高い仕事にリソースを割ける

広告代理店がAIを導入して、クリエイティブプロセスを効率化しました。AIは過去の広告キャンペーンのデータや顧客の嗜好を分析し、効果的な広告コピーとデザインを提案します。その結果、従業員はクリエイティブな戦略立案やコンセプト開発に集中できるようになり、AIが作成した初期コンセプトを元に独自のアイデアを加えることで、より創造性の高い広告キャンペーンが実現されました。

事例4:ビジネスの競争力が高まる

製造業がAIを導入して製品品質管理を強化しました。AIは生産ライン上でセンサーデータをリアルタイムで収集し、製品の欠陥を検出します。異常を自動的に識別し、生産ラインの停止や手動検査を促すことで欠陥品の量が減少し、製品品質が向上しました。結果、競合他社よりも高品質な製品を提供できるようになり、顧客満足度が向上し、市場競争力が強化されました。

STEP1:AI システム導入のための事前準備

では、AIを導入するためにどのようなステップを踏めば良いのか、順番に見ていきましょう。

1:既存の業務フローを可視化する

AIシステムを導入する前に、業務プロセスの理解と分析が必要です。まず、どの部分で効率化が必要か、どのようなデータが必要かを特定します。業務フローを可視化し、問題点を洗い出すことが重要です。AIシステムの導入において、業務プロセスの理解と分析は欠かせません。効率的なプロセスにするために、現在の状況を詳細に分析しましょう。

問題を特定するための代表的な方法は以下のとおりです。

  • 顧客からのフィードバック
  • 業務プロセスの観察
  • スタッフとのヒアリング

2:成功の指標とKPIsの設定

AIシステムの成功を測るためには、適切な指標とKPI(重要業績評価指標)を設定する必要があります。これにより、プロジェクトの進捗や効果を客観的に評価できます。例えば、その業務を遂行するための人員や工数(時間)、作業の正確性や欠陥発生率などがあります。

3:導入の目標と期待される結果の定義

AIシステム導入の目標は、ビジネスのニーズに合わせて設定されます。効率化、コスト削減、新たなサービスの提供など、期待される結果を明確に定義し、プロジェクトチームと共有します。

STEP2:パートナーシップとベンダー選択

AIシステムの開発には、外部のパートナーやベンダーとの協力が必要です。信頼できるパートナーを選ぶことは、プロジェクトの成功に直結します。

AI開発パートナーの選択基準

パートナーを選ぶ際には、以下の点に注目してください。

  • 実績
  • 専門知識
  • 技術力
  • コミュニケーションの円滑
  • 柔軟性
  • コスト

後悔しないパートナー選びのため、上記のうちどれか1つでも不安要素があるのなら、再検討するべきです。また、パートナー選びの際には必ず複数のベンダーを比較検討しましょう。

STEP3:ベンダーとの成功的な関係の構築

ベンダーが決定したら、その先は彼らとの関係を構築することです。とくに重要なのは、透明性のある信頼関係でしょう。プロジェクトの進捗を定期的に確認し、問題が発生した際には迅速に対応することが求められます。

また、少しでも疑問に感じることがあれば、なるべく早い段階で質問をして疑問を解決することです。AI開発はベンダーと二人三脚で行っていくものであり、迷いや不安は極力ゼロにするように心がけがら開発を進めていきましょう。

まとめ

自社AIシステムの開発は、ビジネスに大きな変革をもたらす可能性があります。しかし、成功するためには、事前の準備や適切なパートナーシップ、そして成功の指標の設定が欠かせません。本記事で紹介したステップを参考に、効果的なAIシステム導入を目指してください。

【動画解説】ChatGPTを導入するポイントと注意点

会社でChatGPTを導入する前に理解しておくべきことを動画でまとめました。
無料で視聴いただけますので以下をクリックしてご覧ください。

いますぐ無料で動画を見る▶▶▶