GPT-5とGPT-4oを徹底比較:ChatGPT最新モデルの違いと使い分け

AI活用ブログ
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ChatGPTはリリース以来、AI技術の最前線として急速な進化を続けています。2025年、AI業界で最も注目を集めているのがOpenAIの最新モデル「GPT-5」と「GPT-4o(フォー・オー)」です。この2つのモデルは異なる特性を持ち、ユーザーを二分する議論を巻き起こしています。

「最新で最強なのはどちらか?」という問いに対して、結論から言えば 総合性能ではGPT-5が優位 です。しかし、用途によっては GPT-4oのほうが適しているケースもある のが実情です。本記事では、両者の違いを整理し、どのように使い分けるべきかを解説します。


最近「社外に出せないデータで生成AIを使いたい」という相談をいただきます。ChatGPTの利用は社内で禁止されているそうです。セキュリティやコスト面が気になる企業には、社内のローカル環境で動かせる仕組みがあることはご存知ですか?
OpenAIのオープンなAIモデル「gpt-oss」も利用いただけます。

GPT-5の特徴と強み

GPT-5は、これまでのモデルから飛躍的に進化した「高度な推論型モデル」です。総合性能ではGPT-4oを上回り、とくに複雑な思考プロセスを必要とするタスクで真価を発揮します。

GPT-5は、AIの思考時間をInstant、Auto、Thinkingの3種類から選べます。思考時間が長いほど、複雑なプロンプトに対してもより正確な回答が生成されやすいという特徴があります。

特徴

  • 論理的推論の強化:複雑な問いや多段階の思考を必要とするタスクに対応
  • 長文処理能力:大量のテキストを保持しながら一貫性のある回答が可能
  • 専門性の高い領域での安定性:法務、医療、研究などの分野で活用可能
  • 企業利用を前提とした設計:信頼性・拡張性・セキュリティが強化されている

GPT-5が得意なシーン

  • 契約書や法的文書のレビュー
  • 経営戦略や市場分析などの長文レポート作成
  • プログラム開発や高度なアルゴリズム設計
  • 学術研究のサポート

まとめると、GPT-5は「深い思考」と「正確性」を求めるビジネス用途に強い モデルです。また、以前は推論モデルとしてo3が存在していましたが、現在はGPT-5のThinkingモードがo3の代わりになっています。

GPT-4oの特徴と強み

GPT-4oは「Omni(オムニ=全ての)」の名が示す通り、マルチモーダル対応を最大の特徴としています。マルチモーダルとは、テキストだけでなく画像・音声・動画など複数の情報形式(モダリティ)を同時に処理できる能力のことです。

ファンの多かったGPT-4oですが、現在無料ユーザーには対応していません。Plus以上の有料プランに加入すると「レガシーモデル」としてGPT-4oを利用することができます。

特徴

  • リアルタイム性:応答が速く、即時性が求められるチャットや通話に強い
  • 親しみやすい会話スタイル:人間らしい自然なトーンでやりとりできる
  • マルチモーダル対応:音声入力・音声出力・画像解析・翻訳に対応
  • 軽量バージョン(mini):コスト効率よく利用可能

GPT-4oが得意なシーン

  • 日常会話やカジュアルなQ&A
  • 音声アシスタントや同時通訳的な利用
  • 画像を含む説明やプレゼン資料の草案作成
  • 海外ユーザーとの多言語コミュニケーション

「速さ」「自然さ」「多様性」を重視するユーザーには4oが向いている といえます。

GPT-5とGPT-4oの比較表

項目GPT-4oGPT-5
モダリティテキスト+音声+画像(マルチモーダル)主にテキスト中心、推論力重視
応答速度高速(リアルタイム性に優れる)4oより遅いが安定した処理
推論力日常的なタスクは十分高度な論理・複雑な思考に強い
会話スタイル親しみやすく自然フォーマルかつ論理的
得意分野音声アシスタント、翻訳、日常的な情報整理専門的文書、研究、ビジネス分析
提供プランChatGPT Plus(有料)から利用可能Team / Enterpriseなど上位プラン中心

どちらを選ぶべきか?用途別おすすめ

「どちらが優れているか」というよりも、どの用途で使うか によって最適解は変わります。

  • GPT-4oがおすすめの人
    • 音声や画像を活用したい
    • 翻訳や多言語チャットを重視する
    • 素早く自然な応答が欲しい
    • コストを抑えてAIを使いたい
  • GPT-5がおすすめの人
    • 複雑で専門的な課題を解きたい
    • 長文処理や戦略レポートを作成したい
    • 正確性・信頼性を最重視する
    • 企業利用や研究用途で活用したい

GPT-4oが復活した流れ

2025年8月、OpenAIは最新モデルGPT-5をリリースしました。同時に、GPT-4oを含む従来モデルが選択できなくなりました。つまり、GPT-4oは一度は完全に姿を消したのです。

しかし、多くのユーザーが「性能は向上したが、応答の雰囲気や会話の自然さはGPT-4oのほうが好ましい」と感じ、XをはじめとするSNSでは「#keep4o」といった声が広がりました。これを受け、OpenAIのアルトマンCEOはGPT-4oを再び利用可能にする方針を発表したのです。

そして実際に有料プラン向けに「レガシーモデルを表示」という新しい設定が追加され、そこからGPT-4oを選べるようになりました。無料ユーザーは引き続き利用不可ですが、愛着あるモデルを求める声に応えた形で復活が実現したといえます。

GPT-5とGPT-4oの比較:まとめ

  • 基本的にはGPT-5が優れている:高度な推論、長文処理、専門性の高い業務で真価を発揮
  • 4oが勝る場面もある:リアルタイム性、親しみやすさ、マルチモーダル対応
  • 用途ごとの使い分けが重要
    • 日常利用やスピード重視 → GPT-4o
    • ビジネス・研究での正確性重視 → GPT-5

ChatGPTを最大限活用するための鍵は、「最新=最適」という思い込みから脱却することです。あなたのタスクや目的に最も適したモデルを選ぶことが重要です。GPT-5の深い思考力とGPT-4oの機敏さを場面に応じて使い分けることで、AI活用の可能性は無限に広がります。あなたのAI体験を次のレベルへと引き上げるのは、最新技術と賢い選択の組み合わせなのです。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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