IT担当者の悩みを解消!AI導入を妨げる壁とその壊し方

AI活用ブログ
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「なぜ我が社はAI導入できないのか?」という焦り

生成AIの導入が注目され、多くの企業が業務効率化や業績向上を目的にAI活用を進めています。しかしその一方で、「自社ではAI導入が進まない」「ツールは知っていても検証すら始められない」という悩みを抱える企業も少なくありません。

とくに社内インフラや業務支援を担うIT部門では、「他社は活用しているのに、なぜうちは?」というジレンマが顕著です。本記事では、企業でAI導入が進まない理由を明らかにし、そこから脱却するための現実的なアプローチをご紹介します。


最近「社外に出せないデータで生成AIを使いたい」という相談をいただきます。ChatGPTの利用は社内で禁止されているそうです。セキュリティやコスト面が気になる企業には、社内のローカル環境で動かせる仕組みがあることはご存知ですか?
OpenAIのオープンなAIモデル「gpt-oss」も利用いただけます。

AI導入が進まない企業に共通する5つの“見えない壁”

企業によって事情は異なりますが、生成AI導入が進まない企業には共通する“構造的な壁”があります。

1. 経営層の理解不足とROIの不透明さ

経営層の関心が薄く、「AI導入にコストをかける理由がわからない」「投資対効果(ROI)が見えない」と判断されると、導入判断は停滞します。説明の仕方や情報提供のタイミングが重要です。

2. 現場の抵抗感と“AIへの誤解”

「AIに仕事を奪われるのでは」「使いこなせる気がしない」といった心理的な壁が、現場からの協力を得にくくします。生成AIの活用を“サポート役”として伝えることがポイントです。

3. 社内ルール・セキュリティ規程の壁

クラウドサービス利用が制限されていたり、外部APIの利用に厳しい承認プロセスがあったりすると、PoC(概念実証)すら難しくなります。社内AI展開にはセキュリティ部門との連携も不可欠です。

4. リソース・スキル不足

導入に向けた調査・検証を担う人材が不足していたり、担当者が通常業務に追われてPoCに着手できないケースも多く見られます。

5. PoCを飛ばして“いきなり全社導入”を狙う

PoCを実施せずにいきなり本番導入を狙うと、現場の理解や体制が追いつかずに頓挫することも。スモールPoCで段階的に進めることが成功の鍵です。

AIを導入できない理由をセルフチェックしてみよう

以下に当てはまる項目がある場合、自社のAI導入が停滞している理由が可視化できるかもしれません。

✅ チェック項目状況の説明
経営層がAIに関心を示さない導入効果が見えづらい/提案が伝わっていない
導入検討から1年以上進展がない推進体制が形骸化している可能性あり
現場から反発や否定的な声が多い誤解や不安の解消が不足している
社内規程で生成AIの使用が制限されているセキュリティ懸念と利用ルールの不整合
専任担当者が不在/兼務で手が回らないリソース確保・業務割り振りに課題あり

それでもAI導入を進めるための「3つの突破口」

1. スモールPoCで「実績」を社内に作る

いきなり大規模な導入ではなく、まずは小さなAIユースケースで効果を見せることが重要です。以下のような業務がPoC向きです。

  • チャットによる社内FAQ対応
  • 会議の文字起こしと要約
  • 定型文や提案文のドラフト作成

生成AI導入の成功体験を小さく始めて周囲に共有すれば、社内の空気も変わっていきます。

2. 現場の業務課題から逆算して提案する

AI活用を「技術推進」ではなく「業務改善」として捉えることが大切です。業務フローに寄り添ったAI導入は現場の共感を得やすく、定着率も高まります。

  • 業務の属人化→AIによる標準化
  • マニュアル作成が追いつかない→AIでたたき台作成
  • ナレッジ検索が非効率→AIチャットで検索支援

現場との対話を通じて課題を共有し、そこにAIがどう貢献できるかを示しましょう。

3. 経営層には「リスク対策」と「成果指標」の両面を提示

経営層を動かすには、感覚論ではなく数値での説得が必要です。

  • 月●時間の工数削減 → 年間コスト削減に換算
  • 人的ミスの削減 → 品質向上・事故防止に貢献
  • セキュリティ対策済み導入モデル(オンプレミス、社内限定AIなど)

外部データ学習を行わない“閉域生成AI”を提案すれば、セキュリティ部門も安心しやすくなります。

AI導入は“技術”よりも“社内調整”がカギ

生成AIのツール自体は数多く存在し、誰でも試せる環境が整ってきています。しかし、実際に業務で使えるかどうかは、技術力以上に「社内の合意形成力」が問われます。

小さな成功を社内に共有し、現場・経営層の理解と協力を得ながら、段階的に展開するアプローチが現実的です。

まとめ:AI導入を妨げるのは“無関心”と“誤解”。突破口は必ずある

AI導入が進まないのは、能力や社風の問題ではなく「適切な進め方が見えていない」だけかもしれません。まずはPoCから始め、現場の困りごとに寄り添い、経営層とリスクと成果を共有する。そうした一歩一歩の積み重ねが、AI活用を“当たり前”にする未来を形づくっていきます。

✅社内でのAI導入にお悩みなら…

弊社ではAI導入の最初の一歩を伴走支援しています。「何から始めていいかわからない」「経営を説得する材料がほしい」など、お気軽にご相談ください。

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会社ではChatGPTは使えない?情報漏洩が心配?

ある日本企業に対する調査では、72%が業務でのChatGPT利用を禁止していると報告されています。社内の機密情報がChatGPTのモデルに学習されて、情報漏洩の可能性を懸念しているためです。

そのため、インターネットに接続されていないオンプレミス環境で自社独自の生成AIを導入する動きが注目されています。ランニングコストを抑えながら、医療、金融、製造業など機密データを扱う企業の課題を解決し、自社独自の生成AIを導入可能です。サービスの詳細は以下をご覧ください。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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