Power Automate Desktopでできることと活用事例

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「毎日同じ作業の繰り返しで時間を無駄にしている」「単純作業のミスを減らしたい」とお悩みではありませんか?

Microsoft社が提供するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツール「Power Automate Desktop」は、そんな課題を解決し、業務効率の大幅な向上を実現します。本記事では、Power Automate Desktopの基本機能から活用事例、導入メリットまで詳しく解説します。

この記事の内容は上記のGPTマスター放送室でわかりやすく音声で解説しています。


最近「社外に出せないデータで生成AIを使いたい」という相談をよく聞きます。ChatGPTの利用は社内で禁止されているそうです。セキュリティやコスト面が気になる企業には、社内のローカル環境で動かせる仕組みがあることはご存知ですか?

Power Automate Desktopとは?

Power Automate Desktopを活用することで、以下のような操作が可能になります。

1. ローカルアプリケーションの自動化

ExcelやOutlookなどの操作:Excelでのデータ入力や集計、Outlookでのメール送信や受信トレイの管理など、日常的な業務アプリケーションの操作を自動化できます。

2. Webアプリケーションの自動化

Webサイトからのデータ抽出:特定のWebページから必要な情報を収集し、Excelファイルに保存するなどの処理が可能です。

3. ファイルやフォルダーの操作

ファイルのコピー、移動、削除:指定したフォルダー内のファイルを自動的に整理したり、不要なファイルを削除することができます。

4. データベースとの連携

SQLステートメントの実行:データベースに接続し、必要なデータの取得や更新を自動で行うことができます。

5. メールの送受信

メールの自動送信:特定の条件に基づいてメールを自動送信したり、受信したメールの内容を解析して処理を行うことが可能です。

6. システム操作

アプリケーションの起動や終了:特定のアプリケーションを自動的に起動・終了させることができます。

7. 条件分岐やループ処理

複雑な業務フローの構築:条件に応じた処理の分岐や、特定の処理を繰り返すループ処理を設定することで、柔軟な業務フローを構築できます。

Power Automateによって得られる主なメリット

  • 時間削減:自動化によって手作業で行っていたプロセスが迅速化され、大幅な時間短縮が実現。
  • エラー削減:手動入力によるヒューマンエラーが減少し、データ精度が向上。
  • リソースの最適化:従業員はよりクリエイティブな業務や戦略的なタスクに集中できるようになる。

一方で、自動化導入にはいくつかの課題も存在します。たとえば、初期設定やフロー設計には一定の技術的知識が必要であり、とくに非IT部門では学習コストがかかることがあります。また、自動化されたプロセスのメンテナンスや更新も重要であり、そのためには継続的なトレーニングとサポート体制が求められます。

Power Automate Desktop とPower Automateの違い

  • デスクトップ操作の自動化が必要なら「Power Automate Desktop」
  • クラウドベースのプロセスやサービス間の連携なら「Power Automate」
項目Power Automate Desktop(PAD)Power Automate
目的デスクトップ作業の自動化クラウドサービスや業務プロセスの自動化
実行環境ローカルPCクラウド
RPA対応フル対応一部(デスクトップフローを経由)
トリガー主に手動開始イベントやスケジュールトリガー
連携範囲ローカルアプリやPC環境クラウドアプリ、API、サービス全般
共有と管理個人利用が主(共有は難しい)チームでの共有や管理が容易

Power Automate Desktopの具体的な活用事例

メール処理の自動化

  • 定型メールの添付ファイルを特定のフォルダに自動保存する。
  • Excelで管理しているメーリングリストから定型メールを一斉送信する。

ファイル・フォルダ操作の自動化

  • サブフォルダや年月別のフォルダを一括で作成する。
  • ファイルの更新日時を取得し、簡易的なドキュメント管理表を作成する。

Webスクレイピング

  • 特定のWebサイトからデータを取得し、Excelに保存する。
  • Webサイトから請求書を一括ダウンロードして保存する。

その他の自動化

  • 請求書などの添付ファイルを自動で印刷する。
  • 特定のWebページを開いてスクリーンショットを自動撮影する。

    実際の日本企業の事例を調査

    Power Automate は、日本企業において業務の自動化を推進するための強力なツールとして広く活用されています。以下に、具体的な活用事例をいくつか紹介します。

    事例① データ転記業務の自動化

    まず、訪問看護専用の電子カルテ「iBow」におけるデータ転記業務の自動化があります。この業務では、月に5,500件以上のデータを手動で転記する必要がありましたが、Power Automateを導入することで年間432時間(54日間相当)の作業時間を削減できたと報告されています。この自動化により、担当者の負担が大幅に軽減され、業務効率が向上しました。

    事例② Excelデータを経営販売管理システムに自動入力

    次に、広告会社でのExcelデータを経営販売管理システムに自動入力する事例もあります。この企業では、多くのデータ入力作業が発生していましたが、自動化によって年間720分(12時間)の作業時間を削減することができました。これにより、従業員はより価値の高い業務に集中できるようになりました。

    事例③ 自律的な業務プロセス再設計

    さらに、伊藤忠丸紅鉄鋼株式会社では、RPAツールとしてPower Automateを選定し、自社内での業務自動化を推進しています。彼らは、外部ベンダーに依存せず、自律的な業務プロセス再設計(BPR)を目指しており、Power Automateによる内製化を進めています。この取り組みにより、年間数千時間の業務削減が期待されています。

    事例④ PDF請求書からのデータ抽出業務を自動化

    また、PDF請求書からのデータ抽出業務も自動化されています。特定のフォーマットで送られてくる請求書から「請求書番号」「請求元企業名」「請求金額」を抽出し、Excelに転記する作業が自動化されることで、手作業によるミスや工数削減が実現されています。

    これらの事例から見えるように、日本企業はPower AutomateまたはPADを活用して日常的なルーチンワークやデータ処理業務を効率化し、人手不足や作業負担の軽減を図っています。

    Power Automate Desktop:まとめ

    この記事ではPower Automate Desktopの基本機能から活用事例、導入メリットなどを紹介しました。定型業務の自動化を目指すのであれば、是非導入をご検討ください。

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    監修者:服部 一馬

    フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

    非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
    「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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