SkyReels V2とは?次世代のAI動画生成ツールを徹底解説

AI活用ブログ
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AI技術の進化により、静止画の生成はもはや当たり前となり、次なる注目は「動画生成」に移りつつあります。そんな中、世界中の開発者や映像クリエイターから注目を集めているのが「SkyReels V2」というオープンソースのAI動画生成モデルです。

SkyReels V2は、わずか数行のテキストや1枚の画像から、自然で滑らかな動画を生成することができます。商用利用も可能で、しかも無料で公開されているため、プロ・アマ問わず幅広いユーザーが利用を始めています。本記事では、SkyReels V2の革新的なツールの特徴や使い方、活用時のポイントまでをわかりやすくご紹介します。


最近「社外に出せないデータで生成AIを使いたい」という相談をよく聞きます。ChatGPTの利用は社内で禁止されているそうです。セキュリティやコスト面が気になる企業には、社内のローカル環境で動かせる仕組みがあることはご存知ですか?

SkyReels V2とは何か?

SkyReels V2は、中国のAI企業Skyworkが開発したAI動画生成モデルで、Diffusion Forcingという独自技術を用いて動画を生成します。これは、画像生成で一般的になったディフュージョンモデルの応用技術で、静止画だけでなく複数のフレームを連続して生成し、自然なモーションを生み出せるのが特徴です。

入力には、テキストまたは画像を使用します。たとえば「a cat flying through a fantasy city」といったテキストを与えるだけで、空を飛ぶ猫のショートムービーをAIが作り上げてくれます。映像は720pなどの高解像度で出力でき、プロモーション動画や短編アニメーション、ループ映像などにも活用できます。

また、SkyReels V2はオープンソースとしてGitHubに公開されており、誰でも無料でダウンロード・実行が可能です。ライセンスも緩やかで、商用利用にも対応している点は他の生成AIと比べても大きな魅力です。

SkyReels V2でできること

SkyReels V2で作成した動画:An aircraft carrier fleet is besieging a 300-meter-long Cthulhu sea monster that has emerged from the water.

SkyReels V2は、さまざまな生成パターンに対応しています。最も代表的なのが、テキストから動画を作る「Text-to-Video(T2V)」と、画像から動画を生成する「Image-to-Video(I2V)」です。どちらも、シーンの構図や動き、表情の変化などを含んだ滑らかな映像を出力します。

また、以下のような特徴的な機能も備えています。

  • 高解像度対応:540pや720pといった高品質出力が可能です。
  • カメラワーク再現:ズームインやパンといった動きも自然に取り入れられます。
  • フレーム数の指定:15・30・60フレームなど、映像の尺に合わせて柔軟に設定できます。
  • 長さの目標設定:生成したい動画の秒数(例:3〜6秒)を目安として指定できます。
  • ループ構造に強い:GIFやループ動画として使いやすい映像が生成可能です。

こうした柔軟性により、SkyReels V2は単なるAIの技術デモにとどまらず、実際の映像制作ツールとしても十分に活用できます。

SkyReels V2の実際の使い方・試し方

Lip Sync(リップシンク)機能でAI画像とAI音声を合成した事例

SkyReels V2は、以下の2つの方法で利用できます。

① Hugging Face Spacesを使う

もっとも簡単に試せるのが、Hugging Faceに公開されているデモページです。ブラウザ上でテキストを入力し、解像度やフレーム数を選ぶだけで動画を生成できます。インストール作業は不要で、数分〜十数分で出力されます。ただし、アクセス集中時は待機時間が長くなることがあります。

② GitHubからローカル実行

GPUを搭載したPCをお持ちの場合は、GitHubからコードとモデルをダウンロードし、ローカルで実行することも可能です。こちらは自由度が高く、より複雑なカスタマイズや高速な処理が可能になります。Python環境とある程度の技術知識が必要ですが、公式リポジトリには手順も丁寧に記載されています。

どちらの方法でも、まずは短め(3秒以内)、フレーム数30、540p出力といった軽めの設定で試すのがおすすめです。生成が速く、エラーも少なく済みます。

以下のような簡単なプロンプトをテキスト入力するだけで、動画を作ることができます。

注意点と活用のヒント

SkyReels V2は非常に優れたツールですが、いくつか注意すべきポイントもあります。

まず、生成に時間がかかる点です。長さや解像度を上げると、1本の動画に10分以上かかることもあります。とくに無料プラットフォーム上では順番待ちが発生することがあるため、余裕を持って利用しましょう。

SkyReels V2 出力時間の目安(参考)

条件推定生成時間の目安備考
長さ:2〜4秒/解像度:540p約1〜3分比較的軽め。Hugging Face上でもこの程度。
長さ:5〜8秒/解像度:720p約5〜10分一般的な設定。待ち時間込みで15分以上のことも。
長さ:10秒以上/720p超15分〜数十分高スペックGPUでも時間がかかる。
Hugging Faceでアクセス集中時上記+待機時間(数分〜)同時実行ユーザーが多いと行列発生。
ローカルGPU実行(RTX 4090など)半分以下の時間高性能GPUなら短縮可(2〜4分で出力も可能)
補足
  • Hugging Face Spacesは無料で使えますが、計算リソースが制限されているため、出力が非常に混み合う時間帯(日本時間の夜〜深夜)はさらに待たされる可能性があります。
  • 初回起動時(Cold Start)はモデル読み込みにも時間がかかるため、数分間無反応のように見えても、裏で処理中の場合があります

日本語には完全に対応してはいない

また、ユーザーインターフェースやドキュメントは英語が中心で、日本語には対応していません。プロンプトも英語で入力する必要がありますが、シンプルな表現で十分に効果的な結果が得られます。

SkyReels V2:まとめ

SkyReels V2は、テキストや画像から誰でも高品質な短編動画を生成できる、革新的なAI動画生成ツールです。無料かつオープンソースで提供されており、プロンプトを入力するだけで、まるでアニメや映画のワンシーンのような映像を手に入れることができます。

日本語UIがないなどの課題もありますが、それを上回るポテンシャルを持っています。AIと映像制作の融合に興味がある方は、ぜひ一度SkyReels V2を試してみてください。あなたのプロンプトから、新しい物語が生まれるかもしれません。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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