手元PCでマルチモーダルAI革命!Qwen2.5-Omni-3Bが示すオープンソースAIの未来

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プロなら知っておきたい!LLaMA 3, Qwen 2.5, Mixtral徹底比較

皆さんは、日進月歩で進化を遂げるAI技術に、追いつくのがやっとだと感じていませんか?

とくに大規模言語モデル(LLM)の世界は、数ヶ月前には考えられなかったような性能向上や新機能が登場し、プロフェッショナルでさえキャッチアップが大変な状況です。かつて、最先端AIモデルの試用や開発には、莫大な計算資源を持つクラウド環境が必須でしたが、現在では高性能なマルチモーダルAIが、なんと手元のPCやラップトップで動作するようになっています。

この記事では、軽量マルチモーダルAIモデル「Qwen2.5-Omni-3B」の実力や活用上の注意点について解説します。

この記事は音声解説で聞くこともできます。


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オープンソースAIの最前線:LLaMA 3、Qwen 2.5、Mixtral

過去一年間で、オープンソースの大規模言語モデルを取り巻く状況は劇的に変化しました。現在、この分野で明確なリーダーとして台頭しているのは、MetaのLlama 3、AlibabaのQwen 2.5、そしてMixtralの3つの基盤モデルです。

これらのモデルは、性能、効率、そして実際のアプリケーションにおける有用性において、以前のモデルから significant leap forward(著しい飛躍)を遂げています。

Llama 3

たとえば、Llama 3は、高度なgrouped-query attentionメカニズムを備えたデコーダーオンリーのTransformerアーキテクチャを採用し、新しい128Kのボキャブラリーを持つトークナイザーを導入して効率的なテキスト処理を可能にしています。

Qwen 2.5

Qwen 2.5も密なデコーダーオンリーアーキテクチャに基づいていますが、注意機構のQKVバイアスやtied word embeddingsなどのコンポーネントを含んでいます。

Mixtral

対照的に、Mixtralは革新的なsparse mixture-of-experts(MoE)アーキテクチャを特徴とし、レイヤーごとにtop-2ルーティングを持つ8つのエキスパートネットワークを使用しており、フィードフォワードブロックは異なるものの、attentionパラメータは共有しています。

各モデルの性能と得意分野

これらの主要オープンソースAIモデルは、様々なベンチマークや実際のタスクにおいて異なる強みを発揮しています。総合的な知識を測るMMLUベンチマークでは、Qwen 2.5 72Bが86.1%でわずかにリードし、Llama 3.1 70Bが86.0%で僅差で続いています。Mixtralも83.7%で、GPT-3.5に匹敵する競争力のあるスコアを維持しています。

しかし、専門分野に目を向けると、各モデルの得意な領域が見えてきます。数学的推論では、Qwen 2.5がMATHベンチマークで83.1%と優れたパフォーマンスを示しています。

コード生成においては、Llama 3.1がInstruction Tuning後にHumanEvalで80.5%を達成しておりリードしていますが、Qwen 2.5もHumanEvalで79.8%、MBPPで82.3%と非常に高いスコアを出しています。Mixtralも効率的な推論と共にHumanEvalで78.2%を記録しています。

多言語対応ではMixtralが強力なパフォーマンスを発揮

また、多言語対応ではMixtralが30以上の言語で強力なパフォーマンスを発揮しているほか、Qwen 2.5も29言語にわたる広範な多言語能力をサポートしています。

Llama 3.1はWorld Knowledgeタスクで81.2%と優れており、さらにマルチモーダルタスクやAgent的なアプリケーションで優れた性能を示しています。Qwen 2.5は特にstructured data handling(構造化データ処理)に優れており、JSONや複雑なデータ構造の処理において非常に印象的な能力を発揮します。

このように、各モデルは特定のタスクや応用分野において際立った能力を持っており、利用目的によって最適なモデルが異なってきます。

実用化における重要な考慮事項:デプロイメントと効率

現実世界でこれらのモデルをプロダクション環境に導入する際に、何が本当に重要になるのか、それはデプロイメントの容易さと効率性です。各モデルは、実用化において独自の利点を提供します。

Llama 3

Llama 3は、15%効率的なトークナイザーを導入しており、これはより少ない計算資源でより多くのテキストを処理できることを意味します。さらに、FP8量子化のサポートにより、プロダクション環境で1.4倍優れたスループットを実現し、特にエッジデバイスでの利用に適しています。

Qwen 2.5

Qwen 2.5は、その柔軟性が大きな強みです。0.5Bから72Bまでの多様なモデルサイズを提供しており、簡単なタスクには軽量なバリアントを、最高のパフォーマンスが必要な場合には大規模なバージョンを選ぶことができます。さらに、その許諾性の高いライセンスにより、法的な問題を気にせずに実際の製品を構築できる点も大きな魅力です。

Mixtral

一方、Mixtralは、そのsparse mixture of experts(MoE)アプローチにより、現実世界で6倍速い推論速度を実現しています。

各トークンに対して2つのエキスパートのみを使用しながらも、大規模モデルに匹敵する性能を維持できるため、ミリ秒単位の応答速度が重要となるプロダクション環境では、まさにgame-changing(革新的)な存在となり得ます。

注目の軽量マルチモーダルモデル:Qwen2.5-Omni-3B

オープンソースAIモデルの進化の中でも、とくに注目すべき動きの一つが、Qwen2.5-Omni-3Bのような軽量マルチモーダルモデルの登場です。AlibabaによってリリースされたQwen2.5-Omni-3Bは、テキストだけでなく、画像、音声、動画といった複数のモダリティを処理できる高度なマルチモーダルAIモデルです。

高性能デスクトップやラップトップPCでも効率的に動作

最大の特徴は、そのサイズの小ささでありながら、コンシューマーグレードのハードウェア、具体的には24GBのVRAMを持つ高性能デスクトップやラップトップPCでも効率的に動作するように設計されている点です。

Qwen2.5-Omni-3Bは、30億パラメータのモデルですが、その7Bパラメータ版Qwen2.5-Omniと比較して、特に長いシーケンス(約25,000トークン)処理時のVRAM使用量を50%以上削減することに成功しています。

エンタープライズ利用の壁と可能性:ライセンス問題

Qwen2.5-Omni-3Bのような高性能かつ軽量なモデルの登場は、企業のAI活用にとって大きな可能性を開く一方で、注意すべき点もあります。ソース情報によると、Qwen2.5-Omni-3Bモデルは、Alibaba CloudのQwen Research License Agreementの下、非商用利用のみに限定されています。これは非常に重要な制約です。

企業がこのモデルを評価したり、ベンチマークを行ったり、内部研究目的でファインチューニングすることは許可されていますが、顧客向けのアプリケーションや収益化されるサービスといった商用設定でデプロイするためには、別途Alibaba Cloudから商用ライセンスを取得する必要があると明確に記されています。

このライセンス制限により、Qwen2.5-Omni-3Bは、すぐに使えるプラグアンドプレイのデプロイメントソリューションというよりは、feasibility(実現可能性)のテストベッド、あるいは商用ライセンスを取得するか、代替モデルを探求するかを決定する前に、マルチモーダルなインタラクションのプロトタイプを作成したり評価したりする方法として位置づけられるかもしれません。

Qwen2.5-Omni-3Bが示すオープンソースAIの未来:まとめ

本記事では、現在のオープンソースAIモデルを牽引するLLaMA 3、Qwen 2.5、Mixtralの比較から始まり、それぞれの技術的な特徴、性能、得意分野、デプロイメント効率について掘り下げてきました。

それぞれのモデルの強みや制約(特にライセンス)を理解した上で、自社のビジネスや開発に最適な形で活用していく視点が不可欠です。ぜひ、ご自身の環境で試してみて、その可能性を感じ取ってください。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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