GPT-4.5”Orion”徹底解説:OpenAI最大モデルの実力と課題

AI活用ブログ
AI活用ブログ

「GPT-4.5」コードネーム“Orion”がついに公開されました。AI業界の進歩を牽引するOpenAIの最新モデルが、果たして私たちにもたらす新たな可能性とは?

この記事では、GPT-4.5の性能や特徴をわかりやすく解説し、ビジネスやプライベートでどのようなメリットが得られるのかを探ります。


今なら助成金活用で最大75%OFFと大変お得にご利用いただける、AI・ChatGPT活用研修サービスがご好評をいただいています。ご興味のある方は以下のリンクから、助成金の活用方法やサービス内容が分かる資料をダウンロードいただけます。

AI・ChatGPT活用研修サービスの紹介資料ダウンロードはこちら(無料)

GPT-4.5 “Orion”登場!進化の限界かブレイクスルーか?

OpenAIが新たに発表したGPT-4.5(コードネーム「Orion」)は、同社がこれまでに開発してきたGPTシリーズの中で最大規模のAIモデルです。

大規模な計算資源と膨大なデータを用いた「教師なし学習(unsupervised learning)」をさらに拡張したことで、より高度な自然言語処理や回答精度を目指しています。

一方、OpenAIは公式ホワイトペーパーで「GPT-4.5を“フロンティアモデル”とは見なしていない」と明言しており、同社の中心的な戦略モデルではあるものの、あくまで研究的立ち位置での提供となっています。知識カットオフは2023年10月までとなっており、2024年以降の話題には対応できません。

GPT-4.5の提供形態

GPT-4.5は、OpenAIの月額200ドル(約3万円)相当のプラン「ChatGPT Pro」契約者向けに、すでに研究プレビューとして利用可能になっています。APIの有料契約ユーザーも同時に利用を開始できるとのことで、比較的大規模な開発を行う企業・組織が最初に触れる機会を得ています。

なお、ChatGPT PlusやChatGPT Team向けには、翌週以降に順次アクセスが解放される見込みです。

ChatGPT-4.5の主な性能と特徴

1. 大規模化による知識の深さと感情理解

従来のGPTシリーズと同様、モデル規模を拡大することで、数学やプログラミング、文章作成など多岐にわたる領域で優れた性能向上が確認されています。

OpenAIはGPT-4.5について「より深い世界知識」と「高い感情知能」を実現すると述べ、ユーザーからの相談により自然に寄り添う回答が可能になったとしています。

2. 部分的に遅れを取るベンチマーク結果

しかし、一部のAIベンチマークでは、中国のDeepSeekやAnthropic、さらにはOpenAI自身が開発する「推論(Reasoning)」系モデルに及ばないケースも報告されています。

とくに、数学や複雑な論理思考を必要とするタスクでは、最新の推論特化モデルに軍配が上がる場面があるようです。

3. コストの高さと今後の継続提供

GPT-4.5を利用するためのAPI料金は、入力トークン100万単位(約75万語)あたり75ドル、出力トークン100万単位あたり150ドルと、従来のGPT-4o(「4o」はOpenAIの別ラインモデル)と比較しても相当高額な設定になっています。OpenAI自身も運用コストの高さを認め、今後のAPI提供方針を検討中とのことです。

GPT-4.5導入のメリットと注意点

GPT-4.5のメリット

  • 高度な対話力:感情的なニュアンスやユーザーの意図を汲み取りやすくなり、より自然で温かみのある回答を期待できる。
  • 豊富な創造性:画像やデザイン関連の応用事例、複雑な文章制作など、クリエイティブなタスクで力を発揮。
  • 拡張性の高さ:大規模モデルとしてのポテンシャルは依然大きく、用途に応じたカスタマイズや研究が進む可能性がある。

GPT-4.5の注意点

  • 運用コストが高い:API利用料金が高額なため、大規模プロジェクトを運用する場合はコスト計画が重要。
  • 推論モデルとの併用が必要になる可能性:GPT-4.5単体では最新の推論特化モデルを完全には凌駕できず、特定タスクでは併用が望ましい場合がある。
  • GPT-5への布石:今回のGPT-4.5はあくまで研究プレビューであり、次世代のGPT-5では「GPTシリーズ」と「oシリーズ」が統合されるとの見方も。導入を検討する企業は長期的視点で技術動向を追う必要がある。

APIの料金について

OpenAIが発表した「gpt-4.5-preview」は、GPT-4を上回る世界知識とユーザー意図理解を備えた大規模言語モデルのAPIです。自然な対話からコーチング、ブレーンストーミングまで幅広く対応し、創造性や共感が求められるタスクにも優れた性能を発揮します。

さらに、ファンクションコーリング(機能呼び出し)や構造化出力、画像解析、ストリーミング、システムメッセージ、評価、プロンプトキャッシングなど多様な機能を提供し、エージェント的な計画・実行にも活用可能です。

主な特徴

  • 従来モデルより深い世界知識
  • ユーザー意図の的確な把握
  • 自然で柔軟な会話スキル
  • 幅広いクリエイティブ応用

非常に高い計算リソースを要するため、GPT-4の完全な代替とはなりません。API利用時の料金は下記のとおりです。

区分料金 (1Mトークンあたり)
入力(未キャッシュ)$75
入力(キャッシュ時)$37.5
出力$150
平均費用(割引適用時)約$68

バッチ処理は50%割引が適用され、適格な開発者・組織はプロンプトと出力を共有することで1日最大100万トークンまで無料利用が可能です。今後の継続提供はユーザーのフィードバックにより検討される予定であり、多彩な活用事例が期待されています。

GPT-4.5”Orion”:まとめ

GPT-4.5”Orion”に関して、OpenAIは「まだ手探り状態であり、ユーザーの活用事例から新たな発見を期待している」と表明しています。実際にGPT-4.5は、コード生成や学習支援、デザイン制作など多方面への応用が考えられますが、推論モデルほど汎用的な問題解決力には到達していないと言われています。

しかし、従来手法による大規模学習の限界が見え始めているとも指摘されるなか、GPT-4.5が引き続き業界の注目を集めることは間違いないでしょう。OpenAIが次に計画している「GPT-5」開発のための重要なステップでもあると同時に、多くの企業や開発者にとっては、AI導入を加速させるための試金石となるモデルといえます。

参考)OpenAI公式ページ APIについて

↑↑↑
この記事が参考になりましたら、上の「参考になった」ボタンをお願いします。

会社ではChatGPTは使えない?情報漏洩が心配?

ある日本企業に対する調査では、72%が業務でのChatGPT利用を禁止していると報告されています。社内の機密情報がChatGPTのモデルに学習されて、情報漏洩の可能性を懸念しているためです。

そのため、インターネットに接続されていないオンプレミス環境で自社独自の生成AIを導入する動きが注目されています。ランニングコストを抑えながら、医療、金融、製造業など機密データを扱う企業の課題を解決し、自社独自の生成AIを導入可能です。サービスの詳細は以下をご覧ください。

いますぐサービス概要を見る▶▶▶
この記事をシェアする
監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

Chat Icon
タイトルとURLをコピーしました