AnthropicのClaudeがモバイルで会話型音声モードを提供開始

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Googleドキュメントやカレンダーも“話しかけて”検索

スマートフォンのAIアシスタントは、今や日常生活やビジネスを大きく変える存在となりました。しかし「もっと自然に会話したい」「Googleカレンダーやドキュメントの情報を“話しかけるだけ”で確認したい」といった願いが叶わず、もどかしさを感じたことはありませんか?

本記事では、OpenAIのChatGPTに真っ向から挑戦するAnthropic社の最新AI「Claude」がもたらす革新的な会話型音声モードと、Googleサービスとの連携が私たちの生活や仕事にもたらすメリットについて詳しく解説します。


最近「社外に出せないデータで生成AIを使いたい」という相談をよく聞きます。ChatGPTの利用は社内で禁止されているそうです。セキュリティやコスト面が気になる企業には、社内のローカル環境で動かせる仕組みがあることはご存知ですか?

AnthropicとClaude:AIアシスタントの新たな潮流

Claudeはこれまでも高性能な言語モデルOpus 4やSonnet 4などをリリースしてきましたが、今回のアップデートでさらに進化を遂げました。最大の特徴は、iOS(iPhone)およびAndroidのモバイルアプリで利用できる会話型音声モードの導入です。

このモードでは、従来のテキスト入力だけでなく、自然な会話によってAIとやり取りが可能になります。AnthropicのHead of Claude RelationsであるAlex Albert氏は「まだ初期実装段階だが、すでに非常に楽しく有用な体験だ」と語り、ユーザーからのフィードバックを積極的に求めています。

2025年5月現在、英語限定という制約はあるものの、AIアシスタントの自然言語処理能力の高さと、会話体験の向上が期待されています。

会話型音声モードの実力:ChatGPTとの違いと独自性

ChatGPTも2023年後半から音声会話モードを提供していますが、AnthropicのClaudeが今回打ち出した音声モードには、いくつか独自の強みがあります。

まず、ユーザーがスマートフォンのClaudeアプリで「Googleカレンダーの予定を教えて」「このGoogleドキュメントの要点をまとめて」と話しかけるだけで、AIが自動的に必要な情報を取得し、音声で分かりやすく読み上げてくれる点です。

この連携機能は、ChatGPTにはまだないClaude独自のもの。たとえば、会議の直前に「今日のプレゼン資料を要約して」と話しかけるだけで、Googleドキュメントの内容をAIが要約し、確認できるというわけです。また、会話の内容はすべて文字起こしされ、重要なポイントは「ビジュアルノート」として保存されるため、後から振り返りも容易です。

さらに、音声モードには「Buttery」「Airy」「Mellow」「Glassy」「Rounded」など個性的な音声オプションが用意されており、好みに応じて声色やアクセントを選べます。これは単なる音声認識や読み上げを超えた「会話体験」を実現するための工夫で、ユーザーが自分だけのAIアシスタントとして感情移入しやすい仕掛けとも言えるでしょう。

テキストと音声のシームレスな切り替えと豊かなメディア対応

Claudeの音声モードで特筆すべきもう一つのポイントは、「テキスト」と「音声」の自由な切り替えです。たとえば、移動中や手が塞がっている時は音声で、静かな場所ではテキストで、とその場の状況や好みにあわせてコミュニケーション方法を選べます。しかも、途中でモードを変えても会話の文脈や履歴が途切れることなく、スムーズに続けられます。

さらに、音声会話中でもGoogleドキュメントや画像、複雑な資料について質問したり、AIに要約や解説を依頼したりと、リッチなメディアコンテンツにも柔軟に対応しています。

たとえば、出先から「先週の会議メモの要点を教えて」「添付した画像の内容を説明して」といった指示を音声で出すことも可能に。AIが多様な情報源を統合し、わかりやすく提供してくれるため、従来とは一線を画す“知的な会話体験”が実現しています。

プロ向け機能と無料プラン拡大:Claudeの戦略とユーザー層の拡大

Claudeの最先端機能の中には、Proプラン(月額20ドルまたは年額214.99ドル)やMaxプラン(月額100ドル/ユーザー)など、有料会員限定のものも存在します。GoogleカレンダーやGmail、Googleドキュメントとの連携といった外部アプリ統合機能は、この有料プランのユーザーのみが利用可能です。

一方で、音声会話の基本機能やウェブ検索機能は無料ユーザーにも開放されており、誰でも手軽に最新のAI体験を始めることができます。

以下が、Claudeの無料プラン・Proプラン・Maxプランを網羅した、外部アプリ統合やモデル性能も含めた総合比較表です(2025年5月時点の情報を基に構成)。

Claudeプラン総合比較表(無料/Pro/Max)

プラン名月額料金(参考)利用可能モデル主な機能外部アプリ連携(例)対象ユーザー
無料プラン無料Claude 3 Haiku
Claude 3 Sonnet(一部制限あり)
・基本的な会話と文書生成
・Claude 3 Sonnetは混雑時に制限あり
❌ 外部アプリ連携は不可一般ユーザー/試用目的
Proプラン月額20ドル
または年額214.99ドル
Claude 3 Opus / Sonnet・高速応答
・会話数制限の緩和
・Claude 3 Opus利用可
・履歴保存と要約
✔ Google Docs(要約・編集)
✔ Gmail(返信支援)
✔ Googleカレンダー(予定要約)
パワーユーザー/クリエイター向け
Maxプラン月額100ドル/ユーザー(法人向け)Claude 3 Opus / Sonnet・Proの全機能+
・SAML SSO
・ユーザー/権限管理
・API連携とカスタムワークフロー可能
✔ Google Workspace全体
✔ カスタムAPI連携
✔ 高度な統合対応
企業・大規模チーム/業務利用目的

補足説明

  • モデル性能の違い
    • Haiku:軽量で高速、日常会話や簡易作業向き
    • Sonnet:バランスの取れた性能、ビジネス文書や要約も得意
    • Opus:最上位モデル、複雑な推論や創造的な作業に最適(Pro以上で利用可能)
  • Google系サービスとの連携(Pro以上)
    • Google Drive / Docs:アップロードされた文書の要約や翻訳、トーン調整など
    • Gmail:メールの要約、返信の文案作成
    • Googleカレンダー:予定からの要約、アジェンダ自動生成 など

AIアシスタントはどこまで“パーソナル”になるのか

Claudeの音声モードやGoogle連携の進化は、「AIアシスタントはどこまで人間のパートナーになれるか」という問いに、ひとつの答えを提示しています。

たとえば、忙しいビジネスパーソンがAIに「今週の重要な予定をまとめて」「過去1か月間のプロジェクト進捗を要約して」と依頼すれば、Gmailやカレンダー、ドキュメントを横断してAIが自動的に情報を統合・要約し、音声で手短に伝えてくれる。こうした「パーソナルな情報管理」の自動化が現実のものとなりつつあります。

また、音声モードでのやり取りがより自然になれば、デジタルデバイドやITリテラシーの壁も低くなり、幅広い世代や職種の人々がAIアシスタントを“身近な相談役”として活用できる未来が見えてきます。今後は、多言語対応やAPI公開、ウェブ版への拡張など、さらなる進化も期待されます。

Claudeが打ち出した会話型音声モードとGoogle連携:まとめ

AnthropicのClaudeが打ち出した会話型音声モードとGoogle連携は、「AIとの対話」が単なる便利ツールから、“生活やビジネスを支えるパートナー”への進化を象徴しています。今後は、AIが私たちの行動や嗜好を理解し、能動的に提案したり、先回りしてサポートしたりする時代が到来するかもしれません。

Claudeの会話型音声モードとGoogle連携がもたらす変化は、「AIアシスタントの限界」がどこにあるのかを再定義しつつあります。今後もAIの進化は加速する一方で、それを“どう使うか”“どこまで任せるか”は私たち一人ひとりの選択に委ねられています。Anthropicが切り拓く次世代AIアシスタントの世界で、あなたは何を実現したいですか?

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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