Supabaseの利用方法:オープンソースFirebase代替の全貌

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Supabaseとは

Supabaseは「オープンソースのFirebase代替」として2020年に登場したBaaSプラットフォームです。PostgreSQLデータベースを中心に構築され、リアルタイムデータ同期、認証、ストレージ、サーバーレス関数など、モダンなアプリケーション開発に必要な機能をワンストップで提供しています。

Firebaseが提供する便利なバックエンドサービスの多くをオープンソースで実現し、データの所有権をユーザーに残すことを特徴としています。

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Supabaseの主な機能

データベース

  • PostgreSQL: オープンソースの高性能リレーショナルデータベース
  • リアルタイムリスナー: データ変更をリアルタイムでクライアントに通知
  • RLS(Row Level Security): 行レベルでのアクセス制御

認証(Auth)

  • 多様な認証方法: メール/パスワード、ソーシャルログイン(Google、Facebook、Githubなど)
  • JWT(JSON Web Token): セキュアなトークンベースの認証
  • MFA(多要素認証): セキュリティ強化のための追加認証

ストレージ

  • 大容量ファイル保存: 画像、動画、ドキュメントなどのアップロード・管理
  • アクセス制御: RLSと連携したファイルへのアクセス権限管理
  • CDN統合: 高速なファイル配信

Edge Functions

  • サーバーレス関数: グローバルなエッジロケーションで実行されるサーバーレス関数
  • TypeScript/JavaScript対応: 使い慣れた言語での実装

その他

  • API自動生成: RESTful APIとGraphQL APIの自動生成
  • ダッシュボード: 直感的な管理画面
  • 開発者ツール: CLI、SDK、拡張機能

Supabaseのメリット

1. オープンソース

Supabaseの最大の特徴はオープンソースであることです。コードはGitHubで公開されており、自由に検証や貢献が可能です。これにより、ベンダーロックインの心配が少なく、必要に応じてセルフホスティングすることも可能です。

2. PostgreSQLベース

PostgreSQLというプロダクションレベルで実績のあるデータベースを基盤としているため、高度なSQLクエリや関数、拡張機能を利用できます。これはFirebaseのNoSQLデータベースよりも柔軟なデータモデリングを可能にします。

3. 直感的なUI/UX

管理パネルは直感的に設計されており、データベーステーブルの作成、データの閲覧・編集、APIの確認などが簡単に行えます。SQLエディタも備わっており、複雑なクエリのテストも可能です。

4. 優れた開発者エクスペリエンス

  • TypeScript対応: クライアントライブラリがTypeScriptに完全対応
  • 自動型生成: データベーススキーマから型定義を自動生成
  • 豊富なSDK: JavaScript/TypeScript、Dart、Python、GoなどのSDKが提供

5. データの完全所有

クラウドサービスでありながら、データの完全な所有権と制御権がユーザーにあります。バックアップの取得やデータのエクスポートも容易です。

6. 拡張性

PostgreSQLの拡張機能を利用することで、全文検索(pg_search)、地理空間機能(PostGIS)、ベクトル検索(pgvector)など、高度な機能を追加できます。

Supabaseのデメリット

1. 比較的新しいサービス

2020年に登場したサービスであるため、Firebaseと比較するとエコシステムやコミュニティのサイズ、ドキュメントの豊富さでは劣る面があります。

2. 学習曲線

PostgreSQLの知識やSQL文の理解が必要になる場合があり、NoSQLのみに慣れた開発者には学習コストが発生することがあります。

3. 機能の完成度

一部の機能はまだ開発途上であり、Firebaseが提供する機能をすべてカバーしているわけではありません。特に以下の点で差があります:

  • 分析ツール: Firebaseの分析機能ほど強力でない
  • A/Bテスト: ネイティブサポートがない
  • プッシュ通知: 直接的なサポートが限定的

4. パフォーマンスの調整

自動スケーリングは提供されていますが、大規模なワークロードでは手動でのパフォーマンス調整が必要になることがあります。

5. 料金モデル

使用量ベースの課金であるため、トラフィックが急増した場合にコストが予測しづらい場合があります。

使い方・導入方法

1. アカウント作成とプロジェクト設定

  1. Supabase公式サイトにアクセスし、アカウントを作成
  2. ダッシュボードから「New Project」をクリック
  3. プロジェクト名、パスワード、リージョンを設定して作成

2. データベース設計

ダッシュボードの「Table Editor」から:

  1. テーブルの作成
  2. カラムの定義
  3. リレーションシップの設定
  4. RLS(Row Level Security)ポリシーの設定
-- テーブル作成例
CREATE TABLE public.profiles (
  id UUID REFERENCES auth.users NOT NULL PRIMARY KEY,
  username TEXT UNIQUE,
  avatar_url TEXT,
  created_at TIMESTAMP WITH TIME ZONE DEFAULT now()
);

-- RLS設定例
ALTER TABLE public.profiles ENABLE ROW LEVEL SECURITY;
CREATE POLICY "ユーザーは自分のプロフィールのみ編集可能" 
  ON public.profiles 
  FOR UPDATE 
  USING (auth.uid() = id);

3. クライアント連携

JavaScript/TypeScript

import { createClient } from '@supabase/supabase-js'

const supabaseUrl = 'https://yourproject.supabase.co'
const supabaseKey = 'your-anon-key'
const supabase = createClient(supabaseUrl, supabaseKey)

// データ取得例
const { data, error } = await supabase
  .from('profiles')
  .select('*')
  .eq('id', user.id)

React

import { useEffect, useState } from 'react'
import { supabase } from './supabaseClient'

export default function Profile({ userId }) {
  const [profile, setProfile] = useState(null)

  useEffect(() => {
    getProfile()
  }, [userId])

  async function getProfile() {
    const { data, error } = await supabase
      .from('profiles')
      .select('*')
      .eq('id', userId)
      .single()
    
    if (data) setProfile(data)
  }

  return <div>{profile ? profile.username : 'Loading...'}</div>
}

4. 認証機能の実装

// サインアップ
const { data, error } = await supabase.auth.signUp({
  email: 'example@email.com',
  password: 'example-password',
})

// サインイン
const { data, error } = await supabase.auth.signInWithPassword({
  email: 'example@email.com',
  password: 'example-password',
})

// サインアウト
const { error } = await supabase.auth.signOut()

5. ストレージの利用

// ファイルアップロード
const { data, error } = await supabase.storage
  .from('avatars')
  .upload('public/avatar1.png', imageFile)

// ファイル取得URL
const { data } = supabase.storage
  .from('avatars')
  .getPublicUrl('public/avatar1.png')

料金プラン

Supabaseの料金体系は、無料プランから従量課金制のProプラン、大規模プロジェクト向けのEnterpriseプランまで用意されています。

無料プラン (Free)

  • データベース: 500MB
  • ストレージ: 1GB
  • 帯域幅: 2GB
  • 認証ユーザー: 最大50,000人
  • 同時接続: 10
  • Edge Functions: 無料枠あり
  • テーブル、行、RLSポリシー: 無制限

Pro プラン (~/月から)

  • データベース: 8GB〜
  • ストレージ: 100GB〜
  • 帯域幅: 50GB〜
  • 認証ユーザー: 無制限
  • 同時接続: 100〜
  • Edge Functions: 拡張
  • テーブル、行、RLSポリシー: 無制限
  • 専用サポート

Enterprise プラン (要問い合わせ)

  • カスタマイズされたリソース
  • SOC2コンプライアンス
  • SLAサポート
  • 専任のカスタマーサクセスマネージャー

※料金は使用量によって変動し、特にデータベース容量と帯域幅の使用量に応じて増加します。

活用事例

1. SaaSアプリケーション

ユーザー認証、データストレージ、リアルタイム機能を活用した業務用SaaSアプリケーションの開発

2. モバイルアプリのバックエンド

リアルタイムデータ同期やファイルストレージを活用したモバイルアプリのバックエンド

3. Jamstackウェブサイト

静的ウェブサイトと組み合わせたダイナミックな機能の実装 (例:Next.js + Supabase構成)

4. スタートアップMVP

素早くプロトタイプからプロダクションまで展開できるバックエンドインフラとして

5. コンテンツ管理システム

カスタムCMSやブログプラットフォームの構築

Firebaseとの比較

機能SupabaseFirebase
データベースPostgreSQL (リレーショナル)Firestore (NoSQL)
リアルタイムPostgreSQL + リアルタイムリスナーRealtime Database + Firestore
認証自前 + OAuthFirebase Authentication
ストレージS3互換ストレージCloud Storage
サーバーレスEdge FunctionsCloud Functions
料金モデル使用量ベース + 最低料金純粋な使用量ベース
オープンソース
セルフホスト
SQL対応
コミュニティ成長中成熟
ロックイン低い比較的高い

まとめ

Supabaseは、オープンソースの思想とPostgreSQLの堅牢さを組み合わせ、モダンなアプリケーション開発に必要なバックエンドサービスをワンストップで提供するプラットフォームです。

向いているケース

  • データの所有権と制御を重視する場合
  • リレーショナルデータベースの機能が必要な場合
  • オープンソースやセルフホスティングの選択肢を残したい場合
  • 費用対効果の高いバックエンドソリューションを求める場合

向いていないケース

  • 極めて大規模なアプリケーション(数百万ユーザー規模)
  • GoogleやFirebaseの他サービスとの密な連携が必要な場合
  • NoSQLデータモデルに強く依存している場合

Supabaseは比較的新しいサービスながら急速に成長しており、バックエンド開発の手間を大幅に削減しつつ、データに対する主権を保持できる選択肢として、多くの開発者から支持を集めています。特にスタートアップやプロトタイプ開発においては、素早くスケーラブルなバックエンドを構築できる強力なツールとなるでしょう。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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