AIが自動改善!GitHub Copilot agent modeで変わる開発の未来

AI活用ブログ
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「GitHub Copilot agent mode」の登場により、AIが自動でコードを生成し、エラーを修正する時代が実現しつつあります。この記事では、わずかな指示で開発がどれほど楽になるか、競合サービスとの違い、今後の展望などを紹介します。

GitHubがもたらす“エージェンティックAI”の新潮流

GitHub Copilotの進化と背景

Microsoft傘下のGitHubが提供するAI支援コーディングツール「GitHub Copilot」は、2021年のプレビューから2022年の一般提供を経て、エンジニアの間で広く利用されてきました。

もともとはペアプログラミングの相棒として、OpenAIのCodexを活用してコード補完を行うのが主な特徴でしたが、近年ではChatGPTに代表される生成AIの爆発的な普及に伴い、単なるコード補完を超え、より高度な「エージェンティックAI」機能が求められています。

そんな中、GitHubは新たに「Copilot agent mode」を発表しました。このモードでは、コードの自動生成やバグ修正はもちろん、AI自身がコードの実行結果をチェックしながら反復的に改善する機能が追加されています。

Agent modeの具体的な機能

  1. タスクの理解と計画
    ユーザーが曖昧な指示を与えただけでも、agent modeは必要なタスクを推測して補完します。単に「コードを書いて終わり」ではなく、「関連するファイルの作成・修正をまとめて行う」という包括的な作業を想定して動く点が大きな強みです。
  2. 反復実行(Iterative execution)
    書き出したコードや実行結果をAI自身が評価し、上手く動作しなければ即座に修正を試みます。これにより、開発者が少ない介入でより完成度の高いコードを得られるようになりました。
  3. セルフヒーリング(Self-healing capabilities)
    出力されたコードのエラーを自動的に検知し、その原因を分析して修正を実行します。ランタイムエラーやコンパイルエラーだけでなく、必要なコマンドの提案・実行まで自律的に行うため、開発プロセスの手間を大幅に削減します。

さらに先を行く「Project Padawan」の存在

GitHub Copilot agent modeは強力ですが、まだ完全に自動化された「AI開発者」とは言えません。そこでGitHubが予告しているのが「Project Padawan」です。

Star Warsの“パダワン”になぞらえたこのプロジェクトは、タスクの割り当てからリポジトリのセットアップ、人間レビューアの指定まで、一連の開発フローをAIが主体的に完結することを目指しています。

「最終的には、あらゆるリポジトリにCopilotをコントリビューターとして招き入れるようなイメージだ」とGitHub CEOのトーマス・ドームケ氏は語っています。実現すれば、開発者の作業は要件定義やレビューに集中し、コードの大部分はAIが自律的にこなす未来もそう遠くありません。

競合サービスとの比較

エージェンティックAIの競争は激化しており、とくにスタートアップ勢が先行して市場を盛り上げています。

  • Replit
    2024年にはすでにAIエージェントを導入しており、モバイルアプリからもコード生成が可能。クラウド上で動作するため、PCがなくても開発が進められる手軽さが魅力です。
  • Bolt
    Webインターフェースに特化し、初心者でも入りやすいUIを提供しています。モバイル対応はまだですが、学習コストが低い点が支持を集めています。
  • Cursor
    ダウンロードが必要でややハードルはあるものの、プロ向けの機能が充実しているため、すでに習熟した開発者層から評価を得ています。

一方で、GitHubは世界最大級のコードホスティングプラットフォームであり、すでに「Copilot」という強力なブランドと利用者基盤を持っています。

約1億5,000万人もの開発者が登録し、90%以上のFortune 100企業がGitHubを使っているという点は極めて大きなアドバンテージです。とりあえず試してみるのにも、すでに利用しているGitHubアカウントひとつで済むという手軽さは見逃せません。

GitHub Copilot agent mode導入時の注意点と今後の展望

今回のagent modeは、現時点ではVS Code Insider版でのみプレビュー提供されており、完全な初心者には少し敷居が高いかもしれません。しかし、VS Codeは最も利用者の多い統合開発環境(IDE)であり、GitHubとしても早期段階でのフィードバックを取り入れる意図があります。

価格や正式リリース日についてはまだ明言されていませんが、Microsoft全体で「AIエージェント」エコシステムを急速に拡充している流れから考えると、正式リリースはそう遠くないと予想されます。さらにProject Padawanが実用化されれば、開発現場は「要件定義とレビューだけする」時代に突入していくかもしれません。

GitHub Copilot agent mode まとめ

GitHub Copilot agent modeは、従来の「ペアプログラミング支援」から、AIが自らコードを修正・改善する「ピアプログラミング」へと進化を遂げつつあります。競合他社のサービスが先行しているようにも見えますが、圧倒的なユーザー数とリポジトリを抱えるGitHubが本格参入することで、市場全体がさらに活性化することは間違いありません。

初心者から上級者まで、エージェンティックAIの恩恵を受けられる時代はもう目の前です。これからの開発現場では、人間とAIが互いに学び合いながら、より高度でクリエイティブなソフトウェアを生み出す光景が当たり前になっていくでしょう。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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