OpenAIのChatGPTは、現在最も注目を集めているAIチャットボットの代表格です。市場での存在感を強める中、OpenAIは企業ユーザー向けに「ChatGPT Enterprise」というビジネスプランを展開しています。
このプランは企業規模や機能要件に応じてカスタマイズ可能で、すでにフォーチュン500企業の約80%が業務にChatGPTを活用しているとされています。本記事では、ChatGPT Enterpriseを中心に、OpenAIが提供する各種ビジネスプランの特徴と料金体系を詳しく解説します。

この記事の内容は上記のGPTマスター放送室でわかりやすく音声で解説しています。
OpenAIが提供する各種ビジネスプランの特徴

CHATGPT ENTERPRISE:企業規模に応じたカスタマイズプラン
ChatGPT Enterpriseは企業の規模や従業員数、必要な機能に応じて費用が変動するカスタムプランです。公式の価格表は非公開となっており、導入を検討する企業は個別見積もりとなります。
フォーチュン500企業の約80%が業務にChatGPTを活用しているという実績から、大規模導入に対応した柔軟な価格体系が整備されていると考えられます。
ChatGPT Teamの料金
Enterprise版以外では企業向けにTeamというプランもあります。管理者は複数のアカウントを管理することができて、企業が入力する情報も再利用されない設定になっています。
支払い方法 | 月額料金 |
---|---|
年払い | 1ユーザーあたり25ドル |
月払い | 1ユーザーあたり30ドル |
ChatGPT Team Planの料金は上記のとおりです。ユーザー数が増えれば料金も上昇していく仕組みで、年払いと月払いでは1ヶ月あたり5ドルの差があります。年間で60ドル(日本円で約9,000円)の差が生じるため、できれば年払いで契約するのがおすすめです。

CHATGPT PLUS:個人ユーザー向け有料プラン
個人向けの「ChatGPT Plus」は月額20ドル(約2,900円)で提供されています。このサブスクリプションには、最新GPTモデルの利用、ウェブブラウジング機能、プラグイン対応、優先的なシステムアクセスなどの特典が含まれます。
仮に100名の社員が個別にPlusプランを契約した場合、月額コストは29万円に達します。Enterprise版はこのような大規模導入に対して、機能強化とコスト最適化の両立を図るソリューションとして位置づけられています。
通常のAPI利用料金について
ChatGPT Enterpriseではなく、一般向けのChatGPT APIは従量課金制で、使用した分だけ料金が発生します。課金の基準となる「トークン」は、AIが文章を処理する際の最小単位です。英語の場合、1単語あたりおおよそ1トークンが目安で、たとえば4,096トークンで約4,096単語に相当します。
以下は、主なモデルごとのAPI利用料金(1,000トークンあたり)の一覧です。
モデル | コンテキスト長 | 入力料金(1K tokens) | 出力料金(1K tokens) |
---|---|---|---|
GPT-4 | 8K | $0.03 | $0.06 |
GPT-4 | 32K | $0.06 | $0.12 |
GPT-4o | – | $0.005 | $0.015 |
GPT-4.5 | – | $0.075 | $0.15 |
GPT-4.1 | – | $0.002 | $0.008 |
GPT-4.1 mini | – | $0.0004 | $0.0016 |
GPT-4.1 nano | – | $0.0001 | $0.0004 |
ポイント
- GPT-4.1は長文処理・高精度な出力・コスト効率のバランスが取れたモデルです。
- miniやnanoはさらに安価に利用可能で、用途や予算に応じた選択ができます。
- 支払いは月末締め、その月の利用分のみが請求されます。
ChatGPT Enterpriseは何人まで使えるのか?

使用人数に応じて料金が変わる可能性が高いですが、具体的な数字は公表されていません。興味を持った企業は、公式サイトから問い合わせフォームを通じて、営業担当者と個別に相談する形になっています。
付加価値と機能
ChatGPT Enterpriseは、通常のChatGPTよりも高度な機能を有しています。
- 高速化: 最大で2倍高速に動作します。
- 使用上限の撤廃: GPT-4oの使用制限がありません。
- コンテキストサイズ: 一度に処理できるテキスト量が32kと大容量です。
- カスタマイズ: 組織に合わせて新しい共有チャットテンプレートを使用可能。
- 無料APIクレジット: API使用のための無料クレジットもプランに含まれています。
また、GPT-4.1およびGPT-4.1 miniの利用も近日中で可能になる予定とのことです(2025年5月現在の情報)。
ChatGPT Enterprise:まとめ

熾烈なAI競争と各国の規制に対応するためにも、OpenAIにとっては新たな収益源が必要かもしれません。ChatGPT Enterpriseは、その新たな収益源として、また企業がより効率的に業務を進めるための強力なツールとして、多くの可能性を秘めています。
興味を持った企業は、OpenAIの公式サイトから問い合わせて、自社に最適なプランを問合せてみてはいかがでしょうか。