社内ナレッジを生成AIで活用する方法――FAQから議事録まで使い倒す!

AI活用ブログ
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生成AIの進化により、社内に眠っていた膨大なナレッジ(知識資産)を有効活用できる時代が本格的に到来しました。議事録、マニュアル、FAQ、報告書、チャットログなど、これまで蓄積されてきたあらゆる情報が、生成AIによって再構成・再活用され、業務効率だけでなく組織力の向上にもつながります。

この記事では、社内ナレッジを生成AIで活用するための基本的な考え方、具体的なユースケース、導入ステップ、注意点までをわかりやすく解説します。


最近「社外に出せないデータで生成AIを使いたい」という相談をよく聞きます。ChatGPTの利用は社内で禁止されているそうです。セキュリティやコスト面が気になる企業には、社内のローカル環境で動かせる仕組みがあることはご存知ですか?

生成AIによるナレッジ活用とは?

従来の社内情報は、ファイルサーバーや社内Wikiに保存されているだけで、必要な情報にたどり着くには検索や分類が必要でした。しかし生成AIを活用すれば、こうした情報を“文脈ごと理解”し、自然言語での質問に対して即座に回答することが可能になります。

たとえば、「新入社員の勤怠申請方法は?」と入力するだけで、関連マニュアルや社内FAQ、上長からの過去の回答をもとに、最適な回答が生成されるようになります。
つまり生成AIは、社内ナレッジを“対話型のインテリジェンス”として呼び出せる仕組みをつくるのです。

活用できる社内ナレッジの代表例

社内には、生成AIと組み合わせて活用できるナレッジが数多くあります。以下はその代表例です。

● FAQ・社内ポータル

人事・総務・ITなど各部門のよくある質問集をAIに学習させれば、従業員の問い合わせ対応を自動化できます。

● 議事録・会議メモ

過去の会議ログを整理し、「○○の会議でこの件はどう話されていたか?」といった質問に答えることが可能になります。

● 業務マニュアル・手順書

新入社員や異動者向けに業務フローをわかりやすく生成AIが説明してくれる環境が整います。

● 社内チャット・メールログ

ナレッジが散在しがちなチャットもAIが読み取り、Q&Aのような形で再利用できます。

● ナレッジ共有会の資料・議事録

社内勉強会やナレッジ共有会で出た有益な情報を再活用し、他の社員にも展開できます。

具体的な活用シーン

生成AIによるナレッジ活用は、以下のような場面で効果を発揮します。

1. 新人研修・教育の効率化

新入社員からの基本的な質問に、AIが24時間対応。学習支援にも使えます。

2. 社内問い合わせ対応の削減

人事・総務・情シスへのよくある質問をAIが代替。業務負荷を大幅に軽減できます。

3. 会議準備の効率化

過去の議事録から関連トピックを自動抽出し、事前資料の下地をAIが作成してくれます。

4. 業務マニュアルの更新・要約

既存の分厚いマニュアルを要約したり、新しい手順書を簡単に生成できるようになります。

5. ナレッジの横展開・属人化の解消

ある部門の成功事例やトラブル対応ノウハウを、別のチームが参照できるようになります。

導入ステップ:社内ナレッジAI活用のはじめ方

生成AIを社内ナレッジ活用に取り入れる際は、以下のようなステップを踏むとスムーズです。

ステップ1:ナレッジの棚卸し

まずは社内にどのような情報資産があるのかを把握しましょう。部署ごとの文書、FAQ、議事録、社内ツールのデータなどを洗い出します。

ステップ2:対象データの整備と形式統一

生成AIに扱いやすい形式(プレーンテキスト、PDF、Word、HTMLなど)に整備し、ファイル名や分類もわかりやすくします。

ステップ3:AIに読み込ませる基盤を整備

Notion AI、Microsoft Copilot、ChatGPTのCustom GPTなど、社内ドキュメントを読み込めるAI基盤を選定・構築します。

ステップ4:活用範囲の定義とプロンプト設計

「誰が、どの情報に、どんな目的で使うのか」を明確化し、具体的な質問例(プロンプト)も用意しておくと導入初期に定着しやすくなります。

ステップ5:トライアル運用と改善

小さく始めて、ユーザーのフィードバックをもとに改良を重ねましょう。使われることでAIの回答精度も高まります。

注意点とガバナンスのポイント

生成AIと社内情報を組み合わせる場合、以下のようなリスクと対策が必要です。

  • 個人情報や機密情報の扱い:外部AIサービスにデータを送信する場合は、漏洩対策と同意取得が必要です。オンプレや閉域での運用も検討しましょう。
  • 誤回答(ハルシネーション)対策:AIが出力する回答には人の確認が必要です。「この回答の根拠は?」などの仕組みも用意しておくと安心です。
  • 情報の更新性と正確性の確保:AIが古いナレッジを参照しないよう、元情報の更新と管理体制を明確にしておくことが重要です。

まとめ:生成AIで社内ナレッジを“組織の力”に変える

生成AIは、社内ナレッジを単なる「蓄積された情報」から、「対話的に活用できる知恵」へと進化させる技術です。属人化を防ぎ、情報を社員全体で共有し、日々の業務に役立てることで、組織の総合力が大きく高まります。

FAQの自動応答、議事録の要約、マニュアルの検索など、まずは一部の業務から試し、社内ナレッジの活用を段階的に拡大していきましょう。生成AIは、情報社会の次なる競争力として、今後ますます欠かせない存在となっていきます。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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