Operaが提示する未来:ブラウザがあなたの代わりに動く時代
もしブラウザがあなたの代わりにネットショッピングやホテル予約まで済ませてくれるとしたら、想像以上に生活がラクになると思いませんか?
「手間を省きたいけれど、プライバシーは大丈夫?」という声も多いはずです。実は、Operaが発表した新機能「Browser Operator」は、ユーザー情報を外部に送らず、しかも自然言語で指示するだけで必要なタスクを自動実行してくれると話題を集めています。
本記事を読めば、その仕組みや今後の活用シーンはもちろん、あなたのブラウジング体験がどう変わるのかがはっきりわかります。
Browser Operatorとは何か?

Operaが新たに開発した「Browser Operator」は、ユーザーが自然言語で指示を出すだけで、オンラインタスクを自動的にこなしてくれるAIエージェントです。ブラウザ内で直接動作し、クラウドや仮想マシンを通さないため、機密情報が外部に流出しにくいという強みを持っています。
主な機能と使用例
- オンラインショッピング
例:Walmartで靴下を見つける、色や数量などの条件を指定するなど。 - チケット予約
例:サッカークラブのウェブサイトでチケットを確保する。 - 旅行予約
例:Booking.comを使って飛行機とホテルを同時に手配する。
このような一連の操作をBrowser Operatorが代理で行うため、ユーザーは余分なページ移動や入力の手間を大幅に省くことができます。もしAIが誤った操作をしようとした場合でも、画面を見ながらすぐに介入して修正できるため、操作の自由度と安心感を両立させています。
現在の状況:プレビュー段階
現時点(2025年3月上旬)では、Browser Operatorはプレビュー段階にあり、一部のユーザーのみが試験的に利用できる状態です。Operaは「AI Feature Dropプログラム」を通じて、近い将来この機能をより多くのユーザーに開放すると発表しています。実際に使えるようになる時期は近いと見込まれていますが、macOS版の最新ビルドなど、環境によってはまだ試せない場合もあるようです。
プライバシーと技術的特徴
ローカルでの動作
Browser Operatorはデバイス上で処理を完結させる設計になっており、ログイン情報や履歴などを外部サーバーに送信しません。従来のクラウドベースのAIとは異なり、ユーザーデータが外部に保存されるリスクが低いため、プライバシーとセキュリティが大幅に強化されています。
ユーザーコントロール
ユーザーは実行中のプロセスを常にモニターでき、必要なら操作をキャンセルしたり、パラメータを変更して再実行したりすることが可能です。たとえば、誤った都市でのホテル予約をしようとしていると気づいたら、その場でストップをかけて指示を修正できます。
不明点と今後の課題
- 複数サイトをまたぐ高度なタスクへの対応
「明日ロンドンからニューヨークへの最安値のフライトを探して」といった、複数の旅行サイトを横断するようなリクエストにも対応できるのかはまだ明確ではありません。 - 全ウェブサイトへの汎用性
サイトごとに構造が異なるため、どの程度幅広い場面で役立つのかは今後のアップデート次第といえます。 - 実用面でのエラー率
「操作がうまくいかなかった」「商品の選択を誤った」といったケースがどれだけ発生するのか、ユーザーからの実際のフィードバックが待たれるところです。
競合環境とOperaの強み
AIを活用したエージェント型ブラウジングは今や大きなトレンドになりつつあり、OpenAIのChatGPT OperatorやPerplexity Assistant、Arc BrowserのDiaなど、競合サービスも存在します。そのなかでOperaが強調するのは、無料で使える点とローカル処理によるプライバシー保護です。AIを積極的に活用したい一方で個人情報の漏洩リスクを懸念するユーザーにとって、Operaの戦略は魅力的な選択肢になり得るでしょう。
今後の展望
Browser Operatorは、ブラウザの役割を「ウェブ表示のための窓口」から「ユーザーのタスクを代理実行するパートナー」へと進化させる可能性を秘めています。Operaは今後のアップデートを通じて、さらに多機能化と汎用性の向上を図るとみられます。もしその実力が十分に証明されれば、オンラインタスクを効率化したいユーザーにとっては待望の機能となるでしょう。
参考)Meet Opera’s AI Browser Operator