Luma AIが新世代動画生成モデル Ray2をリリース

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AIを活用した動画生成分野で注目を集めるスタートアップのLuma AI(本社:サンフランシスコ)が、新たなジェネレーティブAI動画モデル「Ray2」を発表しました。

同社が提供する動画生成プラットフォーム「Dream Machine」上で利用でき、既存のモデル「Ray1」と比較して10倍の演算資源を投入して開発されたこのRay2について、この記事では詳しく紹介します。

“高速かつ自然な動き”と強化された物理演算が魅力

進化するAI動画市場とLumaの存在感

昨年夏に登場したLuma AIの「Dream Machine」は、短期間で大きな話題を呼びました。しかし、その後わずか数か月の間に、米国や中国のスタートアップ各社からRunwayやKling、Pika 2.0、OpenAIのSora、GoogleのVeo 2、MiniMaxのHailuoといった新モデルが続々と登場いています。

さらに、オープンソース界隈でもHotshotやGenmoのMochi 1などがリリースされるなど、AI動画生成の競争は一段と激化しています。

Ray2、満を持してのリリース

Luma自身も、最新のスチル画像生成機能やブレインストーミング用ボードの追加に加え、iOSアプリを公開するなど、精力的にアップデートを重ねてきました。そして今回、満を持してリリースされたのが、より高度な動画生成を可能にする「Ray2」です。

Ray2で作成した動画は以下です。プロンプトは「美しい海の中を泳ぐカラフルな熱帯魚の群れ」です。

「Ray2」の特徴:より自然な動きと高い成功率

Luma AIの共同創業者兼CEOであるAmit Jain氏は、自身のSNS(Xアカウント)で「Ray2」の特徴を次のように紹介しています。

  • 10倍の演算資源を投入
    前モデル「Ray1」を大きく上回る演算資源を使用しているため、動画生成の成功率や自然さが格段に向上。
  • 高速かつ自然で一貫性のある動き・物理表現
    被写体が速く動いても破綻しにくく、滑らかなモーションを表現できる。爆発シーンやダンス、スポーツなど、激しい動きの再現度が上がっている。
  • 使いやすいGUIと幅広いクリエイター層へのアクセス
    生成結果の品質が高まったことで、これまでAI動画生成にハードルを感じていたユーザーにも裾野が広がっている。

実際、公開されたサンプル動画では、「南極の雪嵐の中を爆発に囲まれながら走る男性」や「北極の氷上で踊るバレリーナ」などのシーンが映し出されており、高速で自然な動きが確認できます。

さらに「サーフィンをするキリン」といった、ユーモラスながら非常にリアルな映像も生成可能です。多くのテスターからは「ライティングや映像のリアリティが大幅に向上している」と高い評価を得ています。

一方で、一部の複雑なプロンプトについては、生成結果が「グリッチ(欠陥)を含む場合がある」との報告も。今後のモデルアップデートで精度向上が期待されます。

Ray2の価格プラン:無料から有料プランまで多彩

「Dream Machine」には無料利用枠が用意されており、最大720pの動画を月ごとに変動する制限数内で生成できます。より高解像度(1080p以上)や利用制限数の拡大を求めるユーザー向けには、有料プランが提供されています。

  • Lite(6.99ドル/月):1080p対応
  • Plus(20.99ドル/月)
  • Unlimited(66.49ドル/月)
  • Enterprise(1,672.92ドル/年):大規模利用に対応

初心者からプロクリエイター、企業までニーズに応じて選べる幅広いプラン設計となっています。

Ray2の今後のアップデート:イメージから動画生成、動画から動画生成、編集機能も

現在の「Ray2」はテキスト入力(テキスト・トゥ・ビデオ)に対応し、数秒単位の動画クリップを短時間で生成する仕組みです。需要が集中しているため、生成に数分かかる場合もありますが、本来は数秒程度で処理可能な高速性を実装しています。

今後は「イメージ・トゥ・ビデオ」や「ビデオ・トゥ・ビデオ」、さらには動画編集などの追加機能が予定されており、より自由度の高いクリエイティブが期待されます。

「Ray2 Awards」で最大7,000ドルの賞金

Luma AIは「Ray2」のローンチを記念し、「Ray2 Awards」というキャンペーンを開催していました。このキャンペーンは終了していますが、賞金総額は最大7,000ドルと、なかなか豪華なキャンペーンだったようです。

  • 大規模アワード(5,000ドル)
    1月22日(2025年)までの期間に、単一のプラットフォームで最も多くの視聴数を獲得したクリエイターに贈られます。
  • 抽選アワード(3,000ドル)
    「Ray2」生成動画をSNSで投稿し、さらにLuma AIのローンチ動画にエンゲージすることで応募完了。締め切りは同じく1月22日(2025年)。

新たにスタートしたアフィリエイトプログラム

加えてLuma AIは、今回のアップデートと同時にアフィリエイトプログラムもローンチしています。

自身のSNSやブログ、YouTubeチャンネルなどでLuma AIのツールを紹介し、利用者が増えればコミッションを得られる仕組みです。クリエイターにとっては作品を公開するだけでなく、収益化のチャンスにもなっています。

Ray2の魅力:まとめ

AI動画生成の世界は日進月歩で進化を続けており、今や個人クリエイターから企業のマーケティング部門に至るまで幅広い活用が進んでいます。Luma AIの「Ray2」は、自然な動きと高速処理を両立した点で大きな注目を集めており、今後予定されている機能拡張とあわせて、より多彩な映像表現が可能になることが期待されます。

「Ray2」によってAI動画生成のハードルがさらに下がり、クリエイティブの可能性がどこまで広がるのか。次世代の動画コンテンツの行方を占ううえでも、Luma AIの動向からは目が離せません。

参考)Luma Ray2公式ページ CEO Amit氏のXアカウント

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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