カスタマーサポートが劇的に変わる:ElevenLabs Conversational AI 2.0の革新と企業活用の最前線

AI活用ブログ
AI活用ブログ

A「本当に自然な会話ができるAIは存在するのか?」「多様な言語や複雑な業務にも柔軟に対応できるのか?」といった疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、海外で注目を集めるElevenLabsがリリースしたばかりの「Conversational AI 2.0」を詳しく解説します。自然な対話や多言語対応、業務現場への応用例など、最先端AI音声アシスタントの実力と展望を知ることで、今後の自社の業務変革やサービス向上のヒントを得られる内容となっています。


最近「社外に出せないデータで生成AIを使いたい」という相談をよく聞きます。ChatGPTの利用は社内で禁止されているそうです。セキュリティやコスト面が気になる企業には、社内のローカル環境で動かせる仕組みがあることはご存知ですか?

多言語・多文化対応力の強化:グローバルエンタープライズに最適化

グローバル化が進む現代のビジネス現場では、多様な言語や文化にスムーズに対応できるAIアシスタントのニーズが高まっています。

Conversational AI 2.0では、会話中にユーザーが話す言語を自動で判別し、そのまま適切な言語で応答する「自動言語検出」機能を搭載しています。これにより、事前の設定やマニュアル操作なしに、英語、日本語、中国語、スペイン語など複数言語の顧客にシームレスに対応できるのです。

実際にConversational AI 2.0を使ってみた

すでにConversational AI 2.0は日本語にも対応していますので、使ってみました。夏目漱石の「こころ」の冒頭部分を読み上げてもらったものが以下の音声です(再生をクリックすると音声が流れるため音量にご注意ください)

一部、不自然なイントネーションこそあるものの、目の前で小説を音読してもらっているような感じで聞くことができます。

マルチモーダル&多様なペルソナ対応:AIの柔軟性が広がる

企業活用を後押しするRAG(Retrieval-Augmented Generation)の実力

先ほど紹介したようなプライベートな活用だけではなく、企業での利用も期待されています。とくにAIアシスタントとしての活用方法をここでは紹介しましょう。

AIアシスタントの実用化においては、「どこまで正確かつ最新の情報を提供できるか」という点が大きな課題でした。Conversational AI 2.0では「RAG(Retrieval-Augmented Generation)」という仕組みを標準搭載しています。これはAIが外部の知識ベースや社内データベースにアクセスし、必要な情報を瞬時に引き出して応答内容に反映させるものです。

たとえば医療現場であれば、診療ガイドラインや最新の治療プロトコルを即座に参照しながら患者対応を行えます。カスタマーサポートでは、商品マニュアルやFAQを横断的に検索し、常に最新かつ正確なサポートが可能です。

しかも、この情報取得は極めて低遅延で行われるため、顧客側の待ち時間を大幅に短縮できます。また、プライバシーやセキュリティ面にも配慮されており、企業の厳しい情報管理要件にも対応できる点が評価されています。

「マルチモーダル対応」と「マルチキャラクターモード」

Conversational AI 2.0の大きな特徴のひとつが「マルチモーダル対応」と「マルチキャラクターモード」です。

マルチモーダルとは、音声だけでなくテキストやその組み合わせによる対話にも対応できることを意味します。これにより、電話、チャット、SNS、Webサイトなど、顧客の利用シーンや好みに合わせて柔軟にコミュニケーションチャネルを選ぶことができます。

また、AIエージェントが状況に応じて「異なるキャラクター(ペルソナ)」に切り替わる「マルチキャラクターモード」も新たに搭載。

たとえば、クリエイティブなコンテンツ制作や教育・トレーニング用途、キャンペーンごとの顧客対応など、求められるキャラクターや話し方を自在に変化させられます。これにより、よりパーソナライズされた体験や、ブランドイメージに沿ったコミュニケーションが実現可能となります。

人間らしさを追求した会話エンジン:革新的ターンテイク機能

従来の音声AIは、どうしても機械的な応答や不自然な間(ま)、会話中の被りや唐突な割り込みが目立つものでした。こうした課題を根本から解決するのが、ElevenLabs Conversational AI 2.0で搭載された「ターンテイクモデル」です。

ターンテイクモデル

ターンテイクモデルとは人間の会話の微妙な間合いや、ためらい、フィラー(えー、あの、といった言葉)をリアルタイムで解析し、まるで人間同士が話しているかのように「いつ話し、いつ聞くべきか」を自律的に判断します。

この機能により、カスタマーサポートやコールセンターなどでは、顧客が話し終えるタイミングを的確に捉え、ストレスのないやり取りが可能になります。従来の「話し出したら遮られる」「間が空きすぎて不自然」といった不満が大幅に軽減されるだけでなく、会話の流れを途切れさせないことで顧客満足度の向上や業務効率化にも直結します。

大規模アウトバウンド業務への対応:バッチ発信機能の革新

企業が新商品やサービスの案内、アンケート、リマインダーなどを一度に多数の顧客に届ける「アウトバウンドコール」は、従来人手やシステムの負担が大きい業務でした。Conversational AI 2.0では「バッチ発信機能」が強化され、AIエージェントによる大規模な同時発信が容易に行えるようになっています。

これにより、数百~数千件規模の顧客に対し、パーソナライズされたメッセージや案内を一斉送信し、さらにその後の会話も自然にフォローすることが可能です。

従来の一方通行的な自動音声ではなく、顧客の応答内容に応じて柔軟に対話を展開できるため、アンケート回収率や案内の理解度も大幅に向上します。業務のスケールアップや効率化を求める企業にとって、非常に心強い機能と言えるでしょう。

ElevenLabs「Conversational AI 2.0」:まとめ

ElevenLabsのConversational AI 2.0は、単なる「話せるAI」から「人間らしい対話をリアルタイムで実現し、企業業務を根本から変革するAI」へと進化を遂げています。ターンテイクによる自然な会話、多言語対応、RAGによる最新情報提供、マルチモーダルやペルソナ切り替え、バッチ発信による大規模運用など、その機能は実用面でもイノベーションを生み出しています。

既に業務効率化や顧客体験の向上、グローバル展開の推進、情報の即時活用など、多くの企業が恩恵を受け始めています。今後もAI音声アシスタントの進化は加速し、私たちの働き方やサービスの在り方を大きく変えていくことでしょう。今、この分野の動向をキャッチアップし、導入を検討することは、ビジネスの未来を切り拓く大きな一歩となるはずです。

↑↑↑
この記事が参考になりましたら、上の「参考になった」ボタンをお願いします。

会社ではChatGPTは使えない?情報漏洩が心配?

ある日本企業に対する調査では、72%が業務でのChatGPT利用を禁止していると報告されています。社内の機密情報がChatGPTのモデルに学習されて、情報漏洩の可能性を懸念しているためです。

そのため、インターネットに接続されていないオンプレミス環境で自社独自の生成AIを導入する動きが注目されています。ランニングコストを抑えながら、医療、金融、製造業など機密データを扱う企業の課題を解決し、自社独自の生成AIを導入可能です。サービスの詳細は以下をご覧ください。

いますぐサービス概要を見る▶▶▶
この記事をシェアする
監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

Chat Icon
タイトルとURLをコピーしました