ChatGPT-4とGoogle Gemini 1.5の比較:エンジニア向け解説

ChatGPT-4(OpenAI)とGoogle Gemini 1.5は、どちらも高性能なAIモデルですが、それぞれ異なる特徴や設計があります。

そこでこの記事では、エンジニアとしてどちらのプラットフォームを使用するかを決定する際に役立つポイントを紹介し、API設計、トークン数制限、モデルの動作やトレーニングデータの違いについて詳述します。

ChatGPT-4とGoogle Gemini 1.5を5つのポイントから比較

この記事では以下の5つのポイントを比較していきます。

  1. モデルアーキテクチャと設計哲学
  2. コスト構造と料金体系
  3. リクエスト制限と応答速度
  4. トークン数と入力制限
  5. モデルの使いやすさとカスタマイズ性

比較ポイント1:モデルアーキテクチャと設計哲学

ChatGPT-4

ChatGPT-4はOpenAIのGPT(Generative Pre-trained Transformer)アーキテクチャに基づき、多様なユースケースを想定して訓練されています。自然な会話形式の応答や複雑な質問に対しても対応が可能です。

  • 設計目標:人間らしい会話と応答の自然さを重視
  • 応答の流暢さとバランス:会話の連続性と適応性が高く、ユーザーの意図に合わせた応答が可能
  • トレーニングデータ:知識カットオフは2023年9月で、最新の情報に対するアップデートは行われていません

Google Gemini 1.5

Google Gemini 1.5はGoogle DeepMindが開発し、Googleの豊富なデータセットと検索技術の強みを生かした大規模なAIモデルです。特に情報検索や知識データの豊富さで評価されています。

  • 設計目標:情報の精度と信頼性の高い検索機能に重点
  • 検索統合:Google検索技術が組み込まれており、正確で信頼性のある情報に基づく応答が得られる
  • トレーニングデータ:Googleの膨大な知識グラフおよび検索データを含む広範なデータで訓練

比較ポイント2:コスト構造と料金体系

ChatGPT-4
ChatGPT-4のAPI利用料金はリクエストごとのトークン消費量に基づいて計算されます。エンタープライズ向けには高トークン数対応のプランもあり、利用プランは以下の通りです。

プラン名月額料金アクセス可能モデル特徴
無料プラン無料GPT-4o mini– GPT-4oの利用に制限あり
Plusプラン$20GPT-4、GPT-4o、GPT-4o mini– GPT-4oのメッセージ数が無料プランの5倍まで利用可能
Teamプラン$25/ユーザー(年額課金)
$30/ユーザー(月額課金)
GPT-4、GPT-4o、GPT-4o mini– Plusプランのすべての機能
– GPT-4o miniへの無制限アクセス
  • API利用料金
    • 入力トークン:100万トークンあたり $5.00
    • 出力トークン:100万トークンあたり $15.00

Google Gemini 1.5
Google Gemini 1.5のAPI利用料金も従量課金制です。プランは無料プランと有料プランがあり、主にビジネス用途に対応しています。

プラン名月額料金アクセス可能モデル特徴
無料プラン無料Gemini 1.5 Flash– 高速応答速度
– 最大100万トークンのコンテキスト
有料プラン従量課金Gemini 1.5 Pro– 高性能応答
– 最大200万トークンのコンテキスト
  • API利用料金(有料プラン)
    • 入力トークン:100万トークンあたり $1.25(128Kトークン未満の場合)
    • 出力トークン:100万トークンあたり $5.00(128Kトークン未満の場合)

比較ポイント3:リクエスト制限と応答速度

続いて、ChatGPT-4とGoogle GeminiのAPIをリクエスト制限、応答速度の観点で比較しました。こちらが、まとめた表です。

項目ChatGPT-4 APIGoogle Gemini API
リクエスト制限– 無料プラン: 5時間に10回
– 有料プラン: 制限緩和
– Gemini 1.5 Flash-8B: 毎分最大4,000リクエスト
応答速度– GPT-4o: 高速応答
– GPT-3.5 Turbo: 非常に高速
– Gemini 1.5 Flash-8B: 高速応答

ChatGPT-4 API

OpenAIのAPIは非常に使いやすく設計されており、RESTful APIを通じて簡単にアクセスできます。

多くのプログラミング言語に対応したクライアントライブラリが用意されており、シンプルなリクエストで応答が得られるのが特徴です。

Google Gemini 1.5 API

Google GeminiのAPIもREST APIでアクセス可能ですが、Google Cloud Platform(GCP)と連携する必要があります。

そのため、GCPユーザーにとってはシームレスですが、初めてのユーザーにはやや設定が複雑かもしれません。

比較ポイント4:トークン数と入力制限

ChatGPT-4とGoogle Geminiのトークン数と入力制限を以下の表にまとめました。

項目ChatGPT-4Google Gemini1.5 ProGoogle Gemini1.5 Flash
トークン数最大 8,192 トークン最大 1,000,000 トークン最大 32,000 トークン
入力制限最大 8,192 トークン最大 1,000,000 トークン最大 32,000 トークン

ChatGPT-4では最大8,000トークンまでの制限が一般的ですが、より大規模なテキストデータに対応するプランもあります。

Gemini 1.5のトークン制限はモデルに応じて異なり、とくにProモデルは大規模なデータ解析や長文生成に適しています。

比較ポイント5:モデルの使いやすさとカスタマイズ性

ChatGPT-4

特定の用途に応じたファインチューニングが可能で、API経由でのカスタムインストラクション機能も提供されています。

また、プラグイン対応により、特定のサードパーティシステムやデータにアクセスさせることができ、幅広いユースケースに対応可能です。

Google Gemini 1.5

GoogleのAPIエコシステムと統合しやすく、データ分析や検索機能の連携が容易です。

とくにGoogle Cloud上で他のGoogleサービスとシームレスに統合できるため、データ分析やクラウド連携のシナリオに最適です。

Google GeminiとChatGPTの比較:まとめ

この記事ではエンジニアの方に向けて、Google GeminiとChatGPTの比較をお届けしました。これから本格的に生成AIを活用するエンジニアの方の参考になれば、幸いです。

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