OpenAIは、同社の対話型AI「ChatGPT」において新機能「Tasks(タスク管理機能)」をベータ版としてリリースしました。
対応プランはChatGPT Plus、Team、Proの有料サブスクリプションユーザーとなります。現時点では一部ユーザーのみの提供ですが、今後段階的にロールアウトが進むと見られています。この記事ではChatGPTの新機能「Tasks」について、詳しく紹介します。
「Tasks」はどのように使うのか?
「Tasks」を利用するには、ChatGPTのUI(ユーザーインターフェイス)内でモデル選択時に「スケジュールされたタスクがあるGPT-4o」を選択し、チャット上からタスクを入力するだけです。
たとえば「明日の午前7時に天気予報を通知してほしい」「週ごとに取材の進捗を思い出させてほしい」といったリマインダーを登録しておくと、指定した時間や頻度で通知を受け取ることができます。
タスク提案機能も搭載
本機能の目玉のひとつとして、ChatGPTがユーザーとの会話内容をもとに、関連するタスクを提案してくれる仕組みがあります。
たとえば、ユーザーが「来週火曜日にパスポートの更新に行かないと……」と相談していた場合、ChatGPTが「パスポートの期限切れ前にリマインドしますか?」と提案してくれるイメージです。
もっとも、ユーザーが承認ボタンを押さない限りタスクは実際に作成されないため、誤って不要なタスクが登録される心配はありません。タスクはデスクトップ通知されます(スマホアプリでも通知されます)。
10件までのタスク上限と今後の拡張
現在のベータ版では、同時にアクティブにできるタスクの上限が10件までと制限されています。この点については、ベータテストを通じたユーザーの利用状況やフィードバック次第で変更される可能性があります。
単発のリマインダーだけでなく、毎週・毎日などの定期的な繰り返しに対応しているため、仕事からプライベートまで幅広いシーンで使えるのが特徴です。
どの端末からでも通知を受け取れる設計
OpenAIはこの通知機能を複数のプラットフォームでサポートするとしています。
- Webブラウザ:デスクトップやノートPC上のブラウザから直接通知を受け取れる
- モバイルデバイス:スマートフォンやタブレットへの通知も可能
ただし、現時点では「Tasks」管理専用の画面はWeb版のChatGPTのみです。モバイルアプリでの詳細なタスク管理は今後のアップデートで対応が進むものとみられています。
ChatGPTがAIエージェント化する布石か?
今回の「Tasks」は、単にユーザーにリマインダーを送るだけではなく、会話文脈を捉えてタスクを生成したり提案したりする“AIエージェント”らしい動きを強化する取り組みと考えられます。業界内では、OpenAIが「Operator」と呼ばれるAIエージェントの開発を進めているとも噂されています。
さらに、リバースエンジニアのTibor Blaho氏によれば、OpenAIは「Caterpillar」というコードネームのプロジェクトを並行して進めている可能性があるとのこと。これらのプロジェクトでは以下のような機能拡張が見込まれます。
- 特定の情報検索
- データ分析・要約
- Webサイトのナビゲーション
- 文書内検索やアクセスの自動化
こうした取り組みは、より高度な“AI秘書”や“デジタルアシスタント”としてChatGPTを活用できる世界を切り開いていくかもしれません。
まとめ:Tasksは各種の機能と連携しながら強化されていく
OpenAIは今回のベータ提供を通じて、利用者の実際の使い方を分析・改善し、将来的には全ユーザーに開放する可能性を示唆しています。また、同社が目指す「AIエージェント」構想の第一歩として、この「Tasks」が各種機能と連携しながら順次強化されていくのはほぼ間違いないでしょう。
まだ「Tasks」が利用できないユーザーもいるかもしれませんが、今後のアップデートで利用可能範囲は拡大していくと見られます。ChatGPTにタスク管理機能が搭載されることで、私たちの仕事や日常生活がどのように変化していくのか、引き続き注目していきたいところです。