ByteDanceが「Seedream-4」を発表:Nano Bananaに匹敵する最新AI画像生成モデルの実力とは

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AI画像生成の最前線に、新たな強力プレイヤーが登場しました。ByteDanceが開発した「Seedream-4」は、これまで市場をリードしてきたGoogle DeepMindの「Nano Banana(Gemini 2.5 Flash Image)」に真っ向から挑戦する画像生成モデルです。

わずか2秒で2K画像を生成する圧倒的な速度、最大4K解像度での出力、そして参照画像を活用した柔軟な編集機能を備え、クリエイティブ業界に新たな選択肢を提供しています。本記事では、Seedream-4の主要機能を詳しく解説するとともに、Nano Bananaとの比較を通じて、このモデルがもたらす可能性を探ります。


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最新AI画像生成モデル「Seedream-4」の特徴

Seedream-4は次の5つの革新的機能によって、プロフェッショナルなクリエイティブ制作をサポートします:

  • 超高解像度出力:最大4K解像度での画像生成に対応し、印刷物や大型ディスプレイ向けコンテンツ制作を可能に
  • 圧倒的な処理速度:2K画像をわずか1.8〜2秒で生成する高速レンダリング能力
  • 参照画像による一貫性:最大6枚の参照画像を同時活用し、キャラクターやブランドスタイルの統一感を維持
  • 直感的な編集機能:自然言語指示によるオブジェクトの追加・削除・背景変更が可能
  • 精密なテキスト描画:小さな文字も読みやすく再現する高精度なテキスト処理

これらの機能により、広告・デザイン・クリエイティブ制作の現場で即戦力となる性能を実現しています。

Nano Bananaとの比較ポイント

ByteDance自身もSeedream-4を「Nano Bananaのライバル」と位置付けています。両者の違いを整理すると以下の通りです。

編集精度と忠実性

  • Nano Banana:キャラクターの表情や一貫性に強み。
  • Seedream-4:参照画像を最大6枚まで使えるため、一貫性を維持しつつ編集の自由度が高い。

速度と解像度

  • Nano Banana:リアルタイム性に強み。
  • Seedream-4:2Kを約2秒で生成、さらに最大4K解像度を標準サポート。

プロンプトへの忠実性

  • Nano Banana:高精度で意図通りの出力が得やすい。
  • Seedream-4:独自ベンチマークで「忠実性・美しさ」で高評価を獲得。

総じて、Nano Bananaは「一貫性と正確さ」、Seedream-4は「スピードと高解像度、編集の柔軟さ」で差別化されているといえるでしょう。以下、主な比較ポイントを一覧にまとめたものです。

比較項目Nano Banana の強みSeedream-4 の強み/特徴
編集の一貫性・忠実度顔/表情などキャラクターの一貫性、特定のオブジェクトを変える/維持する能力が高いという評価。Seedream-4 も参照画像や複数出力のサポートでキャラクターの一貫性を保とうとしており、編集の自由度(追加・削除・属性変更など)も強化されている。
速度/応答性高速なリアルタイム編集・生成が重視されている。Seedream-4 は 2K 画像を約 1.8〜2秒で生成という速度報告。
解像度高解像度対応だが、Nano Banana がどこまで 4K 出力を標準でどれくらい扱っているかはモデル・設定による。Seedream-4 は最大 4K 出力可能とされ、プロフェッショナル用途での印刷物や大判ポスターなどでも使いやすい。
プロンプトへの忠実性(Prompt Adherence)動作指示に対する忠実性・整合性が評価されている。Seedream-4 の MagicBench や内部ベンチマークで、「prompt adherence」「alignment」「aesthetics(見た目の美しさ)」の分野で良好なスコアを示している。
制約・弱点一部スタイル変更や抽象的な指示に対しては誤解が生じることがある、また生成された画像の多様性に限界がある場合あり。Seedream-4 は多くの参照画像を使うことでスタイル一貫性や多様性を改善するが、完全無欠ではなく、「参照キャラの表情やポーズを完全に守るか」が課題とする声あり。

実際にSeedream-4を検証:使い勝手と出力品質

Seedream-4の実際の使用感を確認するため、いくつかのテストを行いました。操作はシンプルで直感的—出力したい画像のプロンプトを入力するだけで、AIが瞬時に画像を生成します。今回はこのようなプロンプトを入力しました。

すると、以下の画像が生成されました。もちろん、もっと複雑なプロンプトを入力すればよりイメージに近い画像が出力されます。

画像生成は無料トライアルでも試せます。

Seedream-4の価格と利用方法

Seedream-4はByteDanceの公式プラットフォーム「Seedream4.0」やAPI経由で利用可能です。外部サービス(Fal.aiやRunComfyなど)からアクセスできるケースもあります。

  • 価格:1,000枚あたり30ドル前後(用途・提供サービスにより変動)
  • 利用形態:無料トライアルあり、高解像度出力や商用利用には課金が必要
  • 公開状況:モデルの重み(weights)は非公開

Seedream-4はどんな用途に向いている?

Seedream-4は次のようなユースケースに特に向いています。

  • 広告・ポスター・商品カタログなどの大判印刷
  • ブランドのスタイルを維持したまま、多様なバリエーションを展開したいケース
  • ロゴや文字を含むデザイン制作など、テキスト描画が重要な案件

一方で、キャラクターの細部表現や一貫性が最優先の場合はNano Bananaの方が適する場面もあるでしょう。

まとめ:Seedream-4はNano Bananaの有力な対抗馬

ByteDanceのSeedream-4は、高速・高解像度・柔軟な編集機能を兼ね備え、クリエイティブ制作に大きなインパクトを与える存在です。Nano Bananaとの直接比較においても、単なる追随ではなく、独自の強みを前面に押し出しています。

生成AIの画像分野は急速に進化しており、Seedream-4はその中でも注目すべき最新モデルです。企業やクリエイターが「次の一手」を探す際、選択肢の一つとして強力に意識すべきでしょう。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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