ChatGPTの入力データは学習に使われる?個人向け・法人向け・APIの違いを解説

AI活用ブログ
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顧客情報や社内資料などをChatGPTに入力した場合、それがOpenAIのモデル改善に使われるのか、不安に感じる方も多いでしょう。結論からいうと、ChatGPTのデータの扱いは利用しているプランやサービスによって異なります。

この記事では、ChatGPTに入力したデータが学習に使われるのか、無料版・Plus・Business・Enterprise・APIで何が違うのか、企業が安全にChatGPTを使うために確認すべきポイントを解説します。



最近「社外に出せないデータで生成AIを使いたい」という相談をいただきます。ChatGPTの利用は社内で禁止されているそうです。セキュリティやコスト面が気になる企業には、社内のローカル環境で動かせる仕組みがあることはご存知ですか?
OpenAIのオープンなAIモデル「gpt-oss」も利用いただけます。

ChatGPTのデータ利用はプランによって違う

ChatGPTのデータ利用を理解するには、まず「個人向けサービス」と「法人・開発者向けサービス」を分けて考える必要があります。

無料版やPlusは、基本的に個人向けサービスです。一方、ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、ChatGPT Edu、API Platformは、企業や教育機関、開発者向けのサービスです。この違いによって、入力した内容がモデル改善に使われるかどうかが変わります。

利用形態モデル学習への利用
ChatGPT無料版モデル改善に使われる場合あり。設定でオフにできる
ChatGPT Plusモデル改善に使われる場合あり。設定でオフにできる
Temporary Chatモデル改善には使われない
ChatGPT Businessデフォルトでは学習に使われない
ChatGPT Enterpriseデフォルトでは学習に使われない
ChatGPT Eduデフォルトでは学習に使われない
API Platformデフォルトでは学習に使われない
ChatGPT for Healthcareデフォルトでは学習に使われない

ChatGPTの個人向けサービスでは、ユーザーがオプトアウトしない限り会話データをモデル改善に使う場合があります。一方、API、ChatGPT Business、ChatGPT Enterpriseなどのビジネス向けサービスでは、顧客データやメタデータは、トレーニングパイプラインには使われません。

同じ有料サービスでも、個人向けのPlusと法人向けのBusiness・Enterpriseではデータの扱いが異なるのです。

無料版やPlusではデータが学習に使われる場合がある

OpenAIは、ChatGPTの会話データを使って、モデルの精度や安全性、一般的な性能を向上させる場合があると説明しています。ここで注意したいのは、Plusも個人向けサービスであるという点です。

「Plusは有料だから、入力内容は学習に使われない」と誤解されることがありますが、Plusは法人向けのデータ保護を前提としたプランではありません。業務利用で顧客情報や社外秘情報を扱う場合は、PlusではなくChatGPT BusinessやEnterpriseなどの法人向けプランを検討すべきです。

Data Controlsで学習利用をオフにできる

無料版やPlusでもChatGPTの設定画面で「Improve the model for everyone」という項目をオフにすることで、新しい会話がモデル改善に使われないようにできます。

そのため、自分のデータを学習されたくない個人は、Data Controlsの設定が重要です。

Temporary Chatなら学習に使われない

ChatGPTには、履歴に残さず一時的に会話できるTemporary Chatというものがあります。Temporary Chatは履歴に表示されず、メモリにも使われません。一時的な相談や、履歴に残したくない会話では便利な機能です。

ただし、Temporary Chatを使えば何でも入力してよいわけではありません。企業の機密情報や個人情報を扱う場合は、社内ルールに従う必要があります。また、法令上の義務や安全性確認などの目的で、一定期間データが保持される場合もあります。

Temporary Chatは「学習に使われない会話」ではありますが、「機密情報を自由に入力してよい場所」ではないのです。

ChatGPT Businessではデフォルトで学習に使われない

OpenAIの価格ページでは、ChatGPT Businessについて「No training on your data」と説明されています。そのため、企業でChatGPTを日常的に使う場合は、個人向けの無料版やPlusを社員任せで使うより、ChatGPT Businessを導入したほうが安全に管理しやすくなります。

ChatGPT Enterpriseは高度な管理・セキュリティに対応

ChatGPT Enterpriseは、大企業や高度なセキュリティ要件を持つ組織向けのプランです。

OpenAIのEnterprise Privacyページでは、ChatGPT Business、Enterprise、Edu、API Platformなどのビジネスデータについて、顧客が所有・管理できると説明されています。また、デフォルトでビジネスデータをモデル学習に使わないとも説明されています。

APIもデフォルトでは学習に使われない

OpenAI APIを使う場合も、デフォルトでは入力・出力はモデル学習に使われません。そのため、企業が自社システムに生成AIを組み込む場合は、ChatGPTの画面を使うだけでなく、APIを利用する選択肢もあります。

APIを使えば、社内システム、顧客対応システム、業務アプリ、RAGシステムなどにOpenAIのモデルを組み込めます。また、用途に応じてログの保持期間やデータ処理の設計を行いやすくなります。

ただし、APIを使えば自動的に安全になるわけではありません。入力するデータの種類、ログ保存の設計、アクセス権限、プロンプト管理、外部連携、監査体制などは、企業側で設計する必要があります。

削除済み会話やTemporary Chatの保存期間

ChatGPTのデータ管理では、学習利用だけでなく保存期間も重要です。標準的には削除済みChatGPT会話やTemporary Chatは、30日以内に削除されます。ただし、セキュリティや法令上の義務がある場合などは例外があります。Temporary Chatについても、モデル改善には使われないものの、一定期間保持される場合があります。

管理者はユーザーの会話を見られるのか

企業でChatGPTを導入するときに気になるのが、管理者がユーザーの会話を見られるのかという点でしょう。

OpenAIのChatGPT Business向けヘルプでは、Businessは共同利用の環境である一方、各ユーザーは自分のチャット履歴を持ち、共有リンクなどで自分が選んだ会話を共有できると説明されています。また、ワークスペースのデータはBusinessの規約とプライバシー上のコミットメントに従って扱われます。

一方、Enterpriseでは、組織の管理や監査のために、より高度な管理機能や監査ログが提供されます。企業としては、社員のプライバシーと業務上の監査要件のバランスを取る必要があります。導入前に、管理者が何を確認できるのか、ユーザーにどのように説明するのか、ログをどの目的で扱うのかを明確にしておくことが重要です。

アプリ連携時のデータにも注意が必要

ただし、アプリ連携を使う場合は、ChatGPT側だけでなく、接続先アプリ側の権限設定も重要です。たとえば、Google DriveやSharePointで権限が広く設定されていれば、ChatGPTからも広い範囲の情報にアクセスできる可能性があります。逆に、必要な資料に権限が付与されていなければ、ChatGPTがその情報を参照できません。

Company knowledgeなどの社内ナレッジ活用機能を使う場合は、事前に社内アプリのアクセス権限を整理しておく必要があります。

企業がChatGPT利用で避けるべき誤解

ChatGPTのデータ利用について、企業ではいくつかの誤解が起きやすいです。

誤解正しい理解
無料版は必ず学習され、オフにできない無料版でもData Controlsでモデル改善への利用をオフにできる
Plusなら業務データを安全に扱えるPlusは個人向け。業務利用ではBusinessやEnterpriseを検討すべき
有料プランならすべて学習されないPlusとBusiness・Enterpriseでは扱いが異なる
APIなら何を入力しても安全学習には使われないが、ログ設計や権限管理は企業側で必要
Temporary Chatなら機密情報を入れてよい学習には使われないが、社内ルールや法令上の確認は必要
法人向けなら設定不要で安全管理者設定、権限管理、社内教育が必要

とくに注意すべきなのは、Plusを法人向けプランと同じように扱ってしまうことです。Plusは便利な個人向け有料プランですが、企業のデータ管理や管理者統制を前提にしたプランではありません。業務利用では、個人アカウントの利用を放置せず、法人向けプランやAPIの利用方針を定めることが重要です。

業務利用で入力してはいけない情報

ChatGPTを業務で使う場合、どのプランを使っていても、入力してよい情報と入力してはいけない情報を社内で整理する必要があります。とくに、個人向けの無料版やPlusを使う場合は、以下の情報を入力しないようにルール化すべきです。

情報の種類具体例
個人情報氏名、住所、電話番号、メールアドレス、社員番号、顧客情報
機密情報未公開の経営戦略、事業計画、財務情報、M&A情報
顧客情報商談履歴、問い合わせ内容、契約情報、サポート履歴
認証情報ID、パスワード、APIキー、トークン、秘密鍵
知的財産未公開の仕様書、ソースコード、研究データ、設計情報
法務情報契約書、訴訟関連資料、社外秘の法務相談内容

企業でChatGPTを安全に使うためのチェックリスト

企業でChatGPTを導入する場合は、以下の項目を確認しておきましょう。

チェック項目確認内容
利用プラン無料版・Plus・Business・Enterprise・APIのどれを使うか
学習利用モデル改善に使われる可能性があるか
オプトアウトData Controlsの設定を確認しているか
入力ルール個人情報・機密情報の入力禁止範囲を決めているか
管理者設定メンバー管理、SSO、MFA、権限管理を設定しているか
ログ管理会話履歴や監査ログの扱いを決めているか
アプリ連携Google DriveやSlackなどの権限を整理しているか
データ保持保存期間や削除方針を確認しているか
データレジデンシー保存地域の要件を確認しているか
社員教育AIのリスクや禁止事項を周知しているか

ChatGPTの入力データは学習に使われる?:まとめ

ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、ChatGPT Edu、API Platformなどのビジネス向けサービスでは、明示的にオプトインしない限り、入力・出力はモデル学習に使われません。企業でChatGPTを使う場合は、Plusを安全な法人向けプランと誤解せず、Business、Enterprise、Edu、APIなどの利用を検討することが重要です。

また、ChatGPTのデータ管理では、学習利用だけでなく、保存期間、削除、管理者権限、アプリ連携、データレジデンシーも確認する必要があります。

企業でChatGPTを導入する際は、個人任せにせず、法人向けプラン、社内ルール、社員教育を組み合わせて、安全に活用できる環境を整えましょう。

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会社ではChatGPTは使えない?情報漏洩が心配?

ある日本企業に対する調査では、72%が業務でのChatGPT利用を禁止していると報告されています。社内の機密情報がChatGPTのモデルに学習されて、情報漏洩の可能性を懸念しているためです。

そのため、インターネットに接続されていないオンプレミス環境で自社独自の生成AIを導入する動きが注目されています。ランニングコストを抑えながら、医療、金融、製造業など機密データを扱う企業の課題を解決し、自社独自の生成AIを導入可能です。サービスの詳細は以下をご覧ください。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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