AIチャットボットは、自然言語処理技術を用いて、ユーザーからの問い合わせに自動で回答するシステムです。この記事では社内データを反映させたAIチャットボットの利用方法を紹介します。
社内データの反映によるメリット
社内データを反映させたAIチャットボットを利用することで、以下のメリットがあります。
- 問い合わせ件数の削減
- 顧客満足度が上がる
- 業務の属人化の解消
問い合わせ件数の削減
AIチャットボットを利用することで、社員が直接問い合わせに対応する件数を大幅に削減できます。
顧客満足度が上がる
社内データを反映させることで、AIチャットボットは特定サービスや製品など個別の質問に対応が可能になります。結果、顧客満足度の向上が期待できます。
業務の属人化の解消
社内データを反映させることで、AIチャットボットは社員の知識や経験を共有することができます。業務の属人化を解消し、業務の効率化を図ることができます。
具体的な活用シーン
社内データを反映させたAIチャットボットを活用できる具体的なシーンとしては、以下のようなものが挙げられます。
- 社内ヘルプデスク
- 顧客対応
- 社内マニュアル
導入時の注意点
社内データを反映させたAIチャットボットを導入する際には、以下の点に注意する必要があります。
- データの質と量:
データの質と量が十分でないと、回答精度が低下する可能性がある - データの更新頻度:
データの更新頻度が低いと、最新の情報が反映されない可能性がある - セキュリティ:
セキュリティ対策を講じないと、情報漏洩のリスクが高まる
社内データを反映させたAIチャットボットの導入方法
①:Azure Cognitive Searchを活用
社内データを基にした回答をBingに出力させたい場合、Azure Cognitive Searchとの活用が有効です。Azure Cognitive SearchはMicrosoftが提供する検索サービスで、社内データを登録すれば、AIチャットボットは社内データを検索して回答に反映させることができます。
Azure Cognitive Searchを使用した社内データを反映させたAIチャットボットの導入方法
- Azure Cognitive Searchの作成:
AzureポータルでAzure Cognitive Searchを作成 - データの登録:
Azure Cognitive Searchに社内データを登録。詳細はこちら - インデックスの作成:
登録したデータを検索できるように、インデックスを作成 - AIチャットボットの作成:
Azure Cognitive Searchのインデックスを活用して、AIチャットボットを作成
②:Microsoft365 Copilotを活用
社内データを基にした回答をBingに出力させたい場合、Microsoft365 Copilotを使用して、社内データを反映させる方法もあります。
Microsoft365 Copilotを有効にすることで、マイクロソフトグラフを介して社内データを利用できるため、社内データを反映させたAIチャットボットを簡単に導入できます。
Microsoft 365 Copilot の料金は、1ユーザーあたり月額30ドル(約4,400円)です。通常の Microsoft 365 サブスクリプションに追加で発生します。
Microsoft 365 Copilotは2023年の11月に日本版が正式リリースされる予定です。
③:LlamaIndexを活用
社内データを基にした回答をChatGPTに出力させたい場合は、LlamaIndexが向いています。LlamaIndexとはテキストやHTML、PDFなどのデータをインデックス化し、ChatGPTなどの大規模言語モデルに提供するフレームワークです。
LlamaIndexを使って社内データを学習させることで、ChatGPTは社内データに関する回答を行えるようになります。
LlamaIndexを使用した社内データを反映させたAIチャットボットの導入方法
- OpenAI の API KEY を取得
- データのインデックス化:
テキストやHTML、PDFなどのデータをインデックス化(テキストやキーワードなどの形でまとめる)。詳細はこちら - インデックスの提供:
インデックスをChatGPTに提供。ChatGPTはインデックスを参照して、ユーザーの質問に答えるための情報を取得する - 回答の生成:
ChatGPTがインデックスから取得した情報を基に回答を生成
なおChatGPT APIには以下の使用料金がかかります。
入力時 | 出力時 | |
ChatGPT API(gpt-3.5-turbo) | 1,000入力トークンあたり0.0015ドル | 1,000出力トークンあたり0.002ドル |
GPT-4 (8k) | 1,000入力トークンあたり 0.03ドル | 1,000出力トークンあたり0.06ドル |
GPT-4 (32k) | 1,000入力トークンあたり 0.06ドル | 1,000出力トークンあたり0.12ドル |
また、LlamaIndexの使用にはある程度のプログラミング知識が必要です。
まとめ
社内データを反映させたAIチャットボットは、社内業務の効率化を図る有効な手段です。導入時の注意点を踏まえ、自社のニーズに合ったチャットボットを選ぶことが重要です。