この記事では考える力を持つLLM、Kimi k1.5を紹介します。 その驚くべき能力と仕組みを、非エンジニアの方でも理解できるようにわかりやすく解説するので、是非参考にしてください。
Kimi k1.5 って一体何?

Kimi k1.5 は、大規模言語モデル(LLM)と呼ばれる種類のAIです。LLMは、大量のテキストデータを学習することで、人間が書いたような自然な文章を生成したり、質問に答えたりする能力を持ちます。
Kimi k1.5 が他のLLMと違うのは、「強化学習」という方法で学習している点です。強化学習とは、AIが試行錯誤を繰り返しながら、目標を達成するように学習していく方法です。
Kimiを開発しているMoonshot AI(ムーンショットAI)は、2023年3月に設立された中国・北京を拠点とする人工知能(AI)企業です。創業者の楊植麟(ヤン・ジーリン)氏は、清華大学計算機科学技術学部を卒業後、カーネギーメロン大学で博士号を取得し、AI分野での豊富な経験を持っています。
なぜ強化学習がすごいのか?
従来のLLMは、大量のテキストデータを「ただ学習するだけ」でした。そのため、学習データにない問題にはうまく対応できませんでした。
一方、強化学習で学習したKimi k1.5 は、まるで人間のように「自分で考えて行動する」ことができます。例えば、難しい問題を解くとき、試行錯誤を繰り返して解決策を見つけることができます。
さらに、Kimi k1.5 は、学習データだけではなく、「報酬」という形でAIの行動を評価することで、より効率的に学習することができます。この報酬の仕組みが、Kimi k1.5 の自己成長を加速させる鍵となっています。
Kimi k1.5 の3つのすごいポイント

論文によると、Kimi k1.5 は、特に以下の3つの点で優れているようです。
- 「長い文脈」を理解する能力:
Kimi k1.5 は、非常に長い文章を一度に理解することができます。これにより、複雑な問題や物語を全体として把握し、より正確な回答を生成することができます。 - 効率的な学習方法:
Kimi k1.5 は、「部分的な試行」を繰り返すことで、効率的に学習することができます。これは、AIが複雑な問題を少しずつ解決していくようなイメージです。これにより、学習に必要な計算量を大幅に削減することができます。 - 多様なデータへの対応:
Kimi k1.5 は、テキストだけでなく、画像データも理解することができます。これにより、AIは、より多くの情報に基づいて問題を解決できるようになりました。
Kimi k1.5 は何ができる?
論文によると、Kimi k1.5 は、以下のような分野で高い能力を発揮しています。
- 数学: 高度な数学の問題を解くことができます。
- 論理パズル: 複雑な論理パズルを解くことができます。
- プログラミング: プログラミングコードを生成・理解することができます。
- 画像理解: 画像の内容を理解し、関連する質問に答えることができます。
これらの結果から、Kimi k1.5 が、従来のAIよりもはるかに高度な知的能力を持っていることがわかります。

Kimi k1.5 はどうやって学習している?
Kimi k1.5 の学習は、大きく分けて以下の3つの段階で行われます。
- 準備段階:
まず、Kimi k1.5 は、大量のテキストデータと画像データを学習します。この段階で、AIは基本的な知識と理解能力を身につけます。 - 思考力強化段階:
次に、Kimi k1.5 は、強化学習を使って、より複雑な問題に対する思考力を鍛えます。この段階では、AIは試行錯誤を繰り返しながら、問題解決能力を高めます。 - 応用段階:
最後に、Kimi k1.5 は、様々な応用分野でその能力を試されます。この段階では、AIは実践的な問題解決能力を磨きます。
Kimi k1.5 まとめ

Kimi k1.5 は、まだ開発途上のAIです。論文では、今後の課題として、以下の点が挙げられています。
- 学習効率の向上:
より少ない計算量で、より効率的に学習できるようにする必要があります。 - 過剰な思考の抑制:
AIが考えすぎることなく、適切に問題を解決できるようにする必要があります。
これらの課題を克服することで、Kimi k1.5 はさらに高度なAIへと進化していくでしょう。
参考)SCALING REINFORCEMENT LEARNING WITH LLMS Kimi公式ページ