広がるAI補助金・助成金の最前線、政府のAI支援策を使うためガイド

AI活用ブログ
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中小企業から研究機関まで活用できる最新補助金情報

昨今「AI導入補助金」や「アクセラレータプログラム」という言葉を耳にする機会が増えましたが、具体的にどのような恩恵があるかご存じでしょうか? 実は中小企業から大規模研究機関まで、幅広いプレイヤーが利用できる支援策が多数存在します。実は、生成AIの研修を受けた場合、最大で75%の費用が助成される場合もあるんです。

日々の業務効率化や新規事業創出に直結する可能性も高く、「人手不足だけど設備投資の余裕がない…」とお悩みの方には朗報です。本記事を読むことで、最新の補助金プログラムの概要をつかみ、自社に合った制度を見つけるヒントを得られるでしょう。


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1)厚生労働省 人材開発支援助成金

​生成AIの研修に活用できる助成金として、厚生労働省の「人材開発支援助成金」があります。​この助成金は、企業が従業員のスキル向上を目的とした職業訓練を実施する際に、研修費用や研修期間中の賃金の一部を助成する制度です。​

特に、「事業展開等リスキリング支援コース」は、生成AIを活用した新たな事業展開やDX推進のための人材育成に適しています。​このコースでは、研修費用の最大75%が助成されるほか、研修時間中の賃金に対しても1時間あたり960円(中小企業の場合)の助成が受けられます。

2)中小企業庁 ものづくり補助金

​ものづくり補助金(正式名称「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」)は、AI導入に活用可能な国の支援制度です。 ​この補助金は、中小企業・小規模事業者が行う革新的なサービス開発、試作品開発、生産プロセスの改善を目的とした設備投資などを支援するもので、AIシステムやツールの導入も対象となります。

3)中小企業庁 IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援する補助金です。※ITツールとはパッケージソフトの本体費用、クラウドサービスの導入・初期費用等

補助対象: 補助対象となるのは、以下の要件を満たす中小企業・小規模事業者等です。​

  • 製造業、建設業、運輸業: 資本金3億円以下または従業員数300人以下​
  • 卸売業: 資本金1億円以下または従業員数100人以下
  • 小売業: 資本金5,000万円以下または従業員数50人以下​
  • サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く): 資本金5,000万円以下または従業員数100人以下​

その他の業種についても、資本金や従業員数の要件を満たせば対象となります。

補助内容:

補助金の額や補助率は、導入するITツールや事業内容により異なります。​例えば、通常枠では補助額5万円~450万円、補助率は1/2以内となっています。​また、最低賃金近傍の事業者に対しては補助率が2/3に拡大されるなど、事業者の状況に応じた支援が行われています。 ​

4)中小企業省力化投資補助金

この補助金は、人手不足の解消や生産性向上を目指す中小企業等に対し、IoT、ロボット、AIなどの省力化設備の導入を支援するものです。​補助額は企業の規模により異なり、従業員数21人以上の企業が賃上げ要件を達成した場合、最大で1,500万円が補助される見込みです。

AI導入に関連する以下の経費が補助対象となります。​

  • 機械装置・システム構築費
    • ​AIを活用した自動検査装置や生産ラインの自動化設備など、50万円(税抜)以上の設備投資が必須要件となっています。
  • 技術導入費:​
    • AI技術に関する特許使用料やライセンス料などが該当し、補助上限は総事業費の1/3までです。 ​
  • 専門家経費
    • ​AIシステムの設計や導入に関するコンサルタント費用などが該当し、補助上限は総事業費の1/2までです。 ​

補助率と補助上限額は、企業の規模や賃上げの取り組みにより異なります。​

  • 補助率
    • ​中小企業は1/2、小規模・再生事業者は2/3となります。​ただし、補助金額が1,500万円を超える部分については1/3となります。 ​
  • 補助上限額:​
    • 従業員数に応じて設定されています。​例えば、従業員数5名以下の場合は750万円、6~20名の場合は1,500万円が上限となります。​大幅な賃上げを行う場合、上限額が引き上げられる特例もあります。

その他:2兆円の経済刺激パッケージ

2024年に発表された2兆円規模の経済刺激策には、半導体やAI産業に向けた支援が含まれています。具体的にはRapidusやIntelなどの半導体関連プロジェクトに6500億円が配分され、さらに生成AIをはじめとした先端技術の発展にも予算が割り当てられる見通しです。ただし、AI向けの詳細な補助金制度や適用条件はまだ明確に公表されていません。政府としては複数年にわたる戦略的支援を検討しているようなので、大手だけでなく幅広い企業が恩恵を受けられる可能性があります。

研究開発資金プログラム

日本科学技術庁(JST)などの研究機関は、AI関連の研究や開発を促進するための資金提供プログラムを複数運営しています。特に月面研究開発プログラムでは、信頼できるAI技術の開発を対象としており、最大10年間で10億円を支給するケースもあります。研究機関だけでなく、R&Dに力を入れる企業も応募可能なため、先端技術を活用した大規模プロジェクトを目指す場合には要チェックです。国際共同研究を対象とするプログラムも存在し、新たなイノベーション創出に期待が寄せられています。

生成AIアクセラレータチャレンジ(GENIAC)

METIが2024年にスタートさせたGENIACは、生成AIに特化したアクセラレータプログラムです。GPUを活用した大規模計算資源の提供、データホルダーやグローバルテック企業との連携支援、コミュニティイベントを通じたネットワーキングなど、生成AIの基盤モデル開発を総合的にサポートします。

選抜企業の例としてSakana AIが挙げられ、最新のスーパーコンピュータクラスタを活用して研究開発を進めています。詳細な応募要件やスケジュールは日本語サイトで確認が必要ですが、生成AIに興味があるスタートアップや研究者にとっては大きなチャンスと言えるでしょう。

最新情報を入手するには

いずれの制度や補助金も、正式な条件や手続き方法は公的機関の日本語サイトに掲載されているため、英語情報のみで判断するのは危険です。アップデートの速度も早いため、定期的に経済産業省(METI)、JST、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などの公式発表に目を通すことをおすすめします。海外企業や研究者の場合、パートナー企業と連携する、あるいは翻訳ツールを活用するなどして、最新動向をキャッチアップする工夫が必要です。


【まとめ】

日本のAI補助金・支援策は、中小企業向けの導入支援から超大規模な研究開発資金、そして生成AI特化のアクセラレータまで幅広く用意されています。どのプログラムが自社や研究機関に合うのかを見極めるには、まずは正確な情報を集めることが不可欠です。特に応募条件や補助率は随時変更される場合もあるため、常に最新の公式情報をチェックし、タイミングを逃さず活用するのが成功への鍵となるでしょう。

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監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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