OpenAIがロボット分野に本腰?ChatGPT搭載ロボ?

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(画像はTeslaのOptimus)

これまでは主にソフトウェアとAIモデルの提供に注力してきたOpenAIですが、今度はロボティクス分野でのハードウェア開発体制を本格化させる見込みです。

この記事では、つい先日X(旧Twitter)で募集された「初のロボティクス向けハードウェア関連職」のニュースについてわかりやすく紹介します。

OpenAIがハードウェア関連ポジションを複数募集開始

OpenAIのテクニカルスタッフであり、以前はMetaでARグラス開発を率いた経歴を持つCaitlin Kalinowski氏が、SNS「X(旧Twitter)」上で“初のロボティクス向けハードウェア関連職”の求人を告知しました。

具体的には、以下の3つのポジションが挙げられています。

  1. EE Sensing Engineer(電気・電子回路/センシングエンジニア)
    ロボットに搭載するセンサー群の設計・開発を担うポジション。
  2. Robotics Mechanical Design Engineer(ロボット機械設計エンジニア)
    ギアやアクチュエータ、モーター、リンケージなど、ロボットの構造設計に携わるエンジニア。
  3. TPM Manager(テクニカル・プログラム・マネージャー)
    製品開発の各フェーズを横断しながら、トレーニング用ラボの立ち上げやチームの円滑な運営を手がける重要な役割。

求人情報の詳細

さらに求人情報には、新設されたロボティクス部門の狙いとして「汎用ロボットの実現、および高いAI能力と物理的制約をシームレスに統合する」という趣旨の説明が添えられていました。

これは、単にソフトウェアやクラウド上のAIモデルを提供するだけではなく、物理的なロボットに搭載するハードウェアからソフトウェアまでを一貫して開発・運用するという大きな方針を示唆している。

Kalinowski氏の経歴

Kalinowski氏自身がOpenAIに加わったのは2カ月ほど前で、「ロボティクスとコンシューマ向けハードウェアを率いる」役割として就任したという経緯があります。

同社はかねてから、Appleの元チーフデザイナーJony Ive氏とハードウェア開発に関する協業を進めているとも報じられていたほか、ヒューマノイドロボットを開発するFigureとも提携し、OpenAIのAIモデルがFigureのロボットを支える可能性を示唆していました。

今回の求人の意図

とはいえ、今回の求人はOpenAIが自前でロボティクス部門を拡充させることを強く打ち出す動きであり、今後同社がFigureのようなロボティクス企業と同じ市場で競合する展開もあり得ます。

もっとも、OpenAIは投資面などでMicrosoftとの関係が深く、一方で同社とも生成系AI分野では競合する構図にあるように、これまでも複数の企業とパートナーシップと競合の両面を保持してきた実績があります。

OpenAIがロボット分野に? まとめ

今回の求人情報は、OpenAIのビジネス領域拡大とハードウェア分野への本格進出を改めて示すものです。

クラウドやソフトウェア中心の取り組みに加えて、汎用ロボティクスに向けたハードウェア開発をも視野に入れることで、OpenAIの「総合的なAI企業」としての立ち位置がいっそう鮮明になったと言えるでしょう。


■ 参考:Kalinowski氏の投稿内容(抄訳)
「初めてのロボティクスハードウェア関連職を@OpenAIで募集します。最先端のセンサー設計からギアやアクチュエータの機械設計、そして製品開発全般を担うテクニカル・プログラム・マネージャーを探しています。OpenAIのロボティクスチームは汎用ロボットの実現に向けて動いており、ハードウェアとソフトウェアを統合しながら高いAI能力と現実世界の物理的制約を両立させることを目指しています。2カ月前に入社して、すでに才能とスピード感に驚かされています。一緒にロボットの未来を築きましょう!」

参考)Caitlin KalinowskiのX上での投稿

監修者:服部 一馬

フィクスドスター㈱ 代表取締役 / ITコンサルタント / AIビジネス活用アドバイザー

非エンジニアながら、最新のAI技術トレンドに精通し、企業のDX推進やIT活用戦略の策定をサポート。特に経営層や非技術職に向けた「AIのビジネス活用」に関する解説力には定評がある。
「AIはエンジニアだけのものではない。ビジネスにどう活かすかがカギだ」という理念のもと、企業のデジタル変革と競争力強化を支援するプロフェッショナルとして活動中。ビジネスとテクノロジーをつなぐ存在として、最新AI動向の普及と活用支援に力を入れている。

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